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東電、エコキュートを「昼沸き上げ」に転換、料金見直し昼運転機を投入

夜間料金を値上げ、「太陽光+蓄電・蓄熱」で自家消費を推進

2022/01/27 01:14
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ、工藤宗介=技術ライター
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夜間の料金単価を安くしていた電気料金プランを見直す(「電気上手」の例)
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新サービスのイメージ
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エネカリプラスの導入イメージ
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おひさまエコキュートの導入イメージ
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光熱費の試算
光熱費の試算
(出所:東京電力エナジーパートナー)
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 東京電力エナジーパートナー(東電EP)は、需要の夜シフトを促すために設定していた料金プランを見直してヒートポンプ給湯機(エコキュート)の夜間運転時の割引を廃止する一方、蓄電池と蓄熱機器により太陽光発電の自家消費を促す新料金プランを公表した。

 東京電力EPは、2011年の事故で原発が停止する前まで、原発のベース運転により供給過剰気味になる夜間の電力需要を増やす料金政策をとっていた。夜間の料金単価を大幅に安くし、ヒートポンプ給湯機の夜運転(夜間沸き上げ)時に料金を割り引いていた。だが、原発停止が長引くなか、こうした料金体系の場合、経営的に逆ざやが発生することもあり、2016年4月以降、ヒートポンプ給湯機の夜間運転向け料金プランの新規受付を停止していた。

 さらに今年1月25日、同社は、既存のエコキュート使用者に適用する料金も変更すると発表した。ヒートポンプ給湯機の夜稼働を割安にする料金メニューを見直して、夜間の料金単価を2円53銭~2円64銭/kWh値上げするとともに、昼間の料金単価を2円40銭~5円28銭/kWh引き下げ、ヒートポンプ給湯機など通電制御型夜間蓄熱式機器向け割引を廃止する。2022年10月から改定する。これにより、ヒートポンプ給湯機の夜運転(夜間沸き上げ)で蓄熱・給湯利用している顧客の中には、月額の電気料金が上がるケースが出てくる。

 一方、同社は、太陽光発電設備や蓄電池などを初期費用無料で設置できる家庭向けPPA(電力購入契約)サービス「エネカリプラス」、および太陽光発電の自家消費を促進するタイプのヒートポンプ給湯機「おひさまエコキュート」を設置した家庭を対象とした料金プラン「くらし上手」を発表した。2月1日から受付を開始する。

 これにより東京電力グループは、原発停止と太陽光発電の急増を前提に、エコキュートの稼働(沸き上げ)を夜から昼に変更し、電力需要の昼間シフトを促す料金政策に転換したことになる。

 エネカリプラスは、太陽光発電設備や蓄電池、おひさまエコキュートを初期費用無料で導入し、発電した電気の自家消費分を含めて毎月定額で利用できるサービス。太陽光発電の余剰電力は、東電EPが管理する。契約期間は10年間または15年間(機器により異なる)で、契約満了後は機器を無償譲渡する。

 くらし上手は、国内初となるおひさまエコキュート専用の電気料金プラン。太陽光で発電した電気でエコキュートを稼働(昼沸き上げ)するなど、自家消費を促進する。1カ月の使用電力量120kWhまでは定額使用料、超過分を従量料金となる。ヒートポンプ給湯機を夜でなく昼に運転することで、高い大気温度により冷媒との熱交換効率が上がり、省エネにも寄与するという。

 おひさまエコキュートは、東電EPと電力中央研究所がメーカーと連携して共同開発した。ダイキン工業が2月1日に発売、パナソニックと三菱電機も順次発売する予定。

 同社の試算によると、モデルケースとして新築戸建住宅(2階建て4LDK約120m2)に住む4人家族の場合、従来の都市ガス併用住宅の光熱費が月額1万9300円(東電EPスタンダードSが月額1万2500円+都市ガス料金が月額6800円)に対し、エネカリプラス(15年契約、太陽光6.73kW、蓄電池4.2kWh)が月額8900円+くらし上手(おひさまエコキュートは建築会社から購入)が月額9600円の合計月額1万8500円でオール電化住宅が実現できるという。

 エネカリプラスの導入目標は、2022年度に6000件、2030年度には35万件を目指す。また、電化メニューについては2030年度までに契約件数82万件以上(うち、くらし上手は32万件以上)の増加を目標に取り組んでいく。

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