小売電気事業者のUPDATER(東京都世田谷区)は1月27日、固定価格買取制度(FIT)を利用しない非FITの再生可能エネルギーをオフサイト型PPA(電力購入契約)の仕組みで調達し、FIT電気と組みわせて企業に提供するプラン「RE100+PPA」を発表した。
同社は、RE100や脱炭素経営を目指す企業向けに「FIT電気・再エネ+非化石証書」による再エネ100%電力プラン「ENECT RE100」を提供している。今回発表したプランでは、FITを利用せずに新設した再エネ電源を固定価格で長期安定的に調達し、不足分は非化石証書を付加したFIT電気で補いつつ需要家企業に供給する。
再エネ電源の発電コストは本来、エネルギー資源価格の影響を受けないが、FIT電気は国のルールによって卸電力市場の取引価格に連動した調達価格が設定されており、卸電力市場の価格変動リスクを抱える仕組みになっている。そのため、安定した価格での調達が難しく、再エネ比率拡大を目指す企業にとって大きなハードルとなっていた。
RE100+PPAでは、同社が契約する非FITの太陽光発電所から、需要家の再エネ調達ポリシーや電力消費に応じて、最適な発電所を提案して、オフサイト型PPAのスキームで供給する。需要家と発電事業者との間で5~20年といった長期間の電力買取契約を結ぶことで、エネルギー価格高騰の影響など外部環境に左右されない長期安定的な再エネ調達が可能になる。
2025年度に同プランで取り扱う非FIT発電所として、太陽光・風力など合計で700MW規模を目指す。同社によると、特に周辺環境への配慮や、農業振興・地域活性化の観点からソーラーシェアリング(営農型太陽光発電所)、ため池を活用した水上太陽光発電所に注力しているという。
同社は、アミタ、花王、高砂熱学工業、三井住友信託銀行の4社とオフサイト型PPAによる再エネ供給を進めている。