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次年度太陽光入札の上限価格は10.00→9.88→9.75→9.63円、2023年度入札外は9.5円

調達価格等算定員会で委員長案が公表

2022/01/29 02:21
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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 経済産業省は1月29日、調達価格等算定委員会を開催し、固定価格買取制度(FIT)とフィード・イン・タリフ(FIP)の運用のうち、2022年度の太陽光・入札の上限価格と2023年度の入札外のFITの調達価格、FIPの基準価格の委員長案を公表した。

 太陽光の入札外に適用されるFIT・FIP価格については2022年度までは決まっており、今回、2023年度分が公表された。10kW未満(住宅太陽光)は2022年度・17円/kWh(消費税別・以下同)を2023年度・16円/kWhに下げた。10kW以上50kW未満の低圧事業用(地域活用要件)は2022年度・11円/kWhを2023年度・10円/kWhに下げた。

 50kW以上250kW未満の高圧ミドル案件はFITとFIPを選択でき、2022年度・10円/kWhを2023年度・9.5円/kWhに下げた。250kW以上500kW未満の高圧ミドル案件もFITとFIPを選択できるがFITは入札、FIPの場合、2022年度・10円/kWhを2023年度9.5円/kWhに下げた。500kW以上1MW未満の高圧ミドル案件は、2022年度にはFITとFIPを選択できFITは入札、FIPは10円/kWhで、2023年度はFIPのみで入札になる。

 1MW以上のメガソーラー案件は、2022年度からFIPのみで入札制となる。

 2022年度の入札は、2021年度と同様、4回実施し、上限価格を事前に公表する。上限価格の決め方は、2021年度と同様、当年度と次年度の固定価格との間を刻んでいく方式とした。このため、2023年度・入札外の固定価格が「9.5円/kWh」となったのに伴い、2022年度の入札における上限価格は、1回目・10.00円/kWh、2回目・9.88円/kWh、3回目・9.75円/kWh、4回目・9.63円/kWhとなった。

 これにより、2022年度には、太陽光・50kW以上におけるFIT・FIP固定価格は10円/kWhとなるが、入札案件の落札価格については、2回目から10円/kWhを下回ることが確実で、ついに9円台/kWhでの売電事業に突入することになる。

 2023年度のFIT・FIPの固定価格を、前年度の10円/kWhから9.5円/kWhに引き下げたのは、想定するシステム費用を14.2万円/kWから11.7万円/kWに下げる一方、想定設備利用率を17.2%から17.7%に上げ、運転年数を20年から25年に伸ばしたからだ(調達期間終了後の買取価格は9.4円/kWhと想定)。これらの想定値はトップランナー方式を採用して決めている。

2022年度以降の調達価格についての委員長案・太陽光発電(50kW以上250kW未満)と算定に用いた想定コスト
2022年度以降の調達価格についての委員長案・太陽光発電(50kW以上250kW未満)と算定に用いた想定コスト
(出所:経産省)
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 経産省では、太陽光の発電コスト目標を「2025年度・7円/kWh」と掲げ、2020年度・12円/kWhから毎年1円/kWh下げて2022年度・10円/kWhまで落としてきた。この流れから、2023年度・9円/kWh、2024年度・8円/kWhという引き下げも予想されたが、今回の委員長案では、引き下げ幅が0.5円/kWhに抑えられ9.5円/kWhとなった。

 引き下げ幅が抑えられた背景には、カーボンニュートラル宣言に伴うエネルギー基本計画の改訂で2030年度の再生可能エネルギー目標が積み増され、太陽光の導入目標も64GWから約120GWに倍増となったこともありそうだ。ここ数年、認定量が停滞していることもあり、「調達価格の据え置き」を求める声も強くなっていた。「据え置き」への要望と「毎年1円引き下げ」の間をとって「0.5円の下げ」となったとも考えられる。

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