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「系統蓄電池」解禁へ、10MW以上は「発電所」に(page 2)

「太陽光・風力比率」・20%を想定し、エネルギー貯蔵推進へ

2022/01/30 17:59
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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一般送配電事業者に「接続義務」

 2021年12月に有識者会議(電力・ガス基本政策小委員会)で公表された「今後の電力システムの新たな課題について中間取りまとめ」では、出力1万kW(10MW)以上の大型蓄電池を系統に接続する場合は、その放電する機能から「発電事業」に分類し、適切な事業規制を課す、との方向性が盛り込まれた。「10MW以上」としたのは、機能的に類似している揚水発電所を参考に、この規模の大型設備になると、万が一のトラブル時に電力系統への影響が大きくなることが想定されるからという(図2)。

図2●大型の「系統用蓄電池」のイメージ
図2●大型の「系統用蓄電池」のイメージ
(出所:経産省)
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 電気事業法を改正し、需給逼迫時の供給命令などを行えるよう、大型の系統用蓄電池から放電する事業を「発電事業」に位置づけ、参入・退出時の届出義務や、需給逼迫時の供給命令など、現行の発電事業者に対する規制を課すとした。

 これに伴い、一般送配電事業者に対しては、太陽光や風力など従来の発電設備と同様、系統用蓄電池の設置事業者から接続の申請があった場合、系統連系の義務を負わせる。連系協議を経て、連系容量や工事費負担金を算定するなど、従来の系統連系に求められるプロセスを経たうえで接続されることになる。

 また、10MWに満たず「発電事業」とされない系統用蓄電池に関しても、普及を促す観点から、系統接続・系統利用に向けた環境整備を進める。10MW未満のうち、一定規模を超える系統用蓄電池に関しては、需給逼迫時に供給力を活用する趣旨から、特定自家用電気工作物設置者に含めて、経産大臣への届出を求めるとした。

 系統用蓄電池が連系した場合、充電時には需要設備、放電時には発電所としての性格を持つことになる。経産省の有識者会議では、蓄電池への送電(充電)には託送料がかからない一方、蓄電池からの送電(放電)には託送料金がかかり、加えて、充放電に伴うロス分に対しては、需要と見なして託送料が発生すると整理された(図3)。

図3●系統用蓄電池に関する「託送料金」の取り扱い
図3●系統用蓄電池に関する「託送料金」の取り扱い
(出所:経産省)
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