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釧路市でマイクログリッド、ノンファーム接続での余剰活用も

「太陽光+バイオガス発電+蓄電池」、非常時に既存配電網から独立

2022/02/01 17:53
工藤宗介=技術ライター
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地域マイクログリッド事業の実施エリア
地域マイクログリッド事業の実施エリア
(出所:阿寒マイクログリッド)
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平常時の設備運用
平常時の設備運用
(出所:阿寒マイクログリッド)
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非常時の設備運用
非常時の設備運用
(出所:阿寒マイクログリッド)
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建設中のメタン発酵バイオガス発電設備
建設中のメタン発酵バイオガス発電設備
(出所:阿寒マイクログリッド)
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 北海道釧路市阿寒町においてマイクログリッド構築事業が進められている。釧路市と、同事業の事業会社である阿寒マイクログリッド、阿寒農業協同組合、地元酪農家の天翔阿寒、北海道電力ネットワークがコンソーシアムを組み、1月21日に「釧路市阿寒町地域マイクログリッド構築事業コンソーシアム協定書」を締結した。

 同事業は、阿寒町の天翔阿寒が運営する牧場敷地内に太陽光発電設備、メタン発酵バイオガス発電設備、蓄電池などを設置し、マイクログリッドを構成する。平常時は、発電した電力を天翔阿寒に直接売電し、自家消費を最大化したり、デマンド平準化に活用する。

 天翔阿寒の牛舎・事務所の電力を100%再生可能エネルギーで賄うことができ、ノンファーム型接続による余剰売電も視野に入れる。バイオガス発電の燃料に牛糞尿を用いることで臭気対策となり、観光産業へのイメージ改善にもつながるとしている。

 太陽光発電設備のパネル出力は204kW、パワーコンディショナー(PCS)出力は160kW。バイオガス発電設備は出力166kW。蓄電池は出力272kW、容量1087kWh。また、出力49kWの低圧連系するバイオガス発電設備を併設し、発電した電力を固定価格買取制度(FIT)で北海道電力ネットワークに売電する。FITによる売電単価は39円/kWh。

 災害などの大規模停電時には、阿寒町内の徹別中央・下徹別・紀ノ丘などのエリアを北海道電力ネットワークの送配電ネットワークから切り離してマイクログリッドとして運用する。再エネ発電設備の電力を既存の配電線網を用いて、指定避難所である徹別多目的センターのほか、酪農施設14軒、民家25軒に電力供給する計画。

 非常時のマイクログリッド運用中は、自立運転モードで起動した蓄電システムを主電源とし、太陽光発電や負荷変動といった急峻な変動に対して周波数・電圧を維持する。また、エネルギー管理システム(EMS)にグリッド内の需要計画値、太陽光発電予測値を設定することで、バイオガス発電の発電計画を自動作成し、長周期の需給バランスを確保する。

 経済産業省の平成3年度「地域共生型再生可能エネルギー等普及促進事業費補助金(地域マイクログリッド構築支援事業のうち、地域マイクログリッド構築事業)」に採択された。現在設備構築を進めており、2023年3月に運用を開始する予定。

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