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「海中太陽光発電」を開発、神奈川大と横浜市が協力

2022/02/05 00:02
工藤宗介=技術ライター
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海中太陽光発電システムの実証実験の様子
海中太陽光発電システムの実証実験の様子
(出所:神奈川大学)
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 横浜市と神奈川大学は、臨海部における現代的・先端的課題の研究、横浜港の機能強化および人材育成に向けて相互協力する。2021年12月24日に協定を締結したと発表した。具体的な取り組みとして、海中太陽光発電システムの開発などを推進する。

 主な連携内容は、(1)相互の知見や専門性を活用した共同研究などや教育全般に係る支援・協力、(2)脱炭素社会の実現に向けた港の環境、(3)物流機能の強化、(4)港の観光と賑わい創出、(5)港の防災力強化――の5項目。

 協定に基づき神奈川大学は、2021年度中に「海とみなと研究所」を設立し、港湾地域の社会や企業が求める現代的・先端的研究課題研究など幅広い分野で横浜市と連携しながら研究する。横浜市は、同研究所の設立を契機に、臨海部における脱炭素、横浜港の機能強化などに向けて連携する。

 海中太陽光発電システムについては、実証実験の適地を探していた神奈川大学と、カーボンニュートラルポート形成を目指す横浜市で、それぞれの取り組みの親和性が高いと判断した。協定の目的のひとつである「脱炭素社会の実現に向けた港の環境に関する連携」として、横浜市が実験フィールドを提供する。

 同研究では、海水温によってパネル表面温度上昇を抑制し、高効率な発電が可能になる海中設置型の太陽光パネルの開発を目指す。水面下に設置することで黄砂や糞によるパネル汚損の恐れがなく暴風被害も少なくなる一方で、海中生物によりパネル表面が汚されるためパネル表面にテクスチャリングを施して汚損を防止する。

 これまでに、神奈川大学敷地内に設置した水槽を用いて水中発電の基礎実験を実施し、太陽光パネルを水中設置することで出力が大きくなる条件があることを明らかにした。また、太陽光パネルを設置した小型浮体を設計・試作し、水中汚損生物付着に関する実証実験を行った。

 今後、海中設置の実証実験を実施し、年間を通した発電性能の評価、外観腐食の目視検査および経年変化の調査、季節による発電効率の違いの評価、海中生物の付着検証・対策、波浪対策などを実施していく。このほかにも、神奈川大学学生と横浜市職員が連携し、カーボンニュートラルポート形成に関する共同研究として、海中太陽光発電による停泊中の船舶への電源供給などを検討する。

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