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東京都、「2030年カーボンハーフ」策定、新築建物への太陽光設置義務化へ

2022/02/07 20:12
工藤宗介=技術ライター
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東京における太陽光発電の設置状況
東京における太陽光発電の設置状況
(出所:東京都)
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 東京都は2月4日、2030年までに温室効果ガス排出量の2000年比50%削減を目指す「2030年カーボンハーフに向けた取組の加速 -Fast forward to “Carbon Half”-」を策定したと発表した。

 「2050年CO2排出実質ゼロ」の実現に向けて、今後10年間の行動が極めて重要との認識のもと、2019年12月に策定した「ゼロエミッション東京戦略」をアップデートした。東京都環境審議会での議論を踏まえて、カーボンハーフに向けた道筋を具体化し、各部門で直ちに加速・強化する主な取り組みを示した。

 2030年目標として、温室効果ガス排出量を2000年比50%削減(2019年度速報値は0.2%減)、エネルギー消費量を同50%削減(同25.4%減)、再エネ電力利用割合を50%程度(2019年度17.3%)、都内太陽光発電設備導入量を130万kW(2019年度61.0万kW)、都有施設(知事部局など)使用電力の再エネ100%(2020年度約7%)を掲げる。

 太陽光発電については、2000m2未満の住宅などの中小規模の新築建築物に対して太陽光発電設備の設置を義務付ける制度を新設する。同制度は再生可能エネルギー設置の義務化および国基準以上の省エネ性能基準設定などを定める。また、2000m2以上の大規模建築物への再エネ設置についても強化・拡充する計画。

 水素エネルギーの普及拡大については、2030年目標として、乗用車新車・二輪車新車販売の100%非ガソリン化(乗用車は2020年度40.2%、二輪車は2035年目標)、家庭用燃料電池の普及100万台(2020年度累計約6.7万台)、業務・産業用燃料電池の普及3万kW(同約2500kW)、ゼロエミッションバスの導入300台以上(同108台)、乗用車の新車販売台数に占めるZEVの割合50%(2020年度2.3%)、水素ステーションの整備150カ所(同22カ所)を掲げる。

 具体的な取り組みとしては、バス事業者が営業所などにステーションを整備・誘致して一般車を受け入れる場合に新規導入FCバスの車両価格の自己負担分を実質概ねゼロ、5年以内に5台以上のFCバス導入計画を策定する事業者に補助金上乗せ、FCトラックの導入支援、水素ステーション整備に向けた補助上限引き上げなどを行っていく。

 現在製造される水素の多くがグレー水素であり、グリーン水素の普及は途上の段階にある。そのため再エネ由来水素の活用事例を増やして段階的にグリーン水素へ移行し、2030年以降のグリーン水素などの利用に向けた基盤づくりを早期に着手していく。

 さらに、都自らの率先行動として、知事部局など所管の都有施設への太陽光発電設備の累計設置目標(2024年度)を1万2000kWから2万kWに引き上げる。既存施設への太陽光パネル設置指針を策定し、設置可能な都有施設(知事部局50施設、警察庁舎、消防施設、都立学校)から順次設置を進めていく。2030年までの中間年である2024年度に向けて、都庁各局で脱炭素行動を推進する。

 東京都環境審議会では、2021年5月から「東京都基本環境計画」の改定に向けた議論を進めている。気候変動分野は、他分野に先駆けて同年12月までに集中的に審議を行い、カーボンハーフ実現に向けた新た目標水準および施策の基本フレームを提示した。2022年度は、中間まとめ、パブリックコメント、答申を経て、環境基本計画改定・条例改定手続きを進めていく。

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