マッキンゼーが「脱炭素ロードマップ」、太陽光192GW、蓄電池50GWに

2022/02/10 16:47
金子憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
マッキンゼーのシナリオでは、太陽光192GW、洋上風力70GW、陸上風力13GWに制約される
マッキンゼーのシナリオでは、太陽光192GW、洋上風力70GW、陸上風力13GWに制約される
(出所:マッキンゼー・アンド・カンパニー ジャパン)
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 マッキンゼー・アンド・カンパニー ジャパン(東京都港区)は2月4日、日本政府が掲げた2050年・カーボンニュートラル目標を達成するためのシナリオを公表した。

 電力部門については、石炭火力発電所を高効率ガス火力に置き換え、原子力発電所を再稼働したうえで、再生可能エネルギーで61%、水素・アンモニア発電で9%、残りを化石火力のCCS(CO2分離・固定)で賄うとした。再エネの主体となる太陽光と風力は現在の3倍となる275GWまで拡大する。うちわけは、太陽光192GW、洋上風力70GW、陸上風力13GWになるとした。

 太陽光と風力で275GWという容量は、地質学的、社会的な制約を加味したもので、太陽光の場合、ポテンシャルは278GWに達するが、山岳地帯が多いなどの制約で192GWに留まり、その内訳は、稼働済みの64GWに加え、住宅太陽光で50GW、その他(大規模・中規模)で78GWとしている。

 陸上風力の制約はさらに大きく、ポテンシャルは170GWに達するものの、地形的な制約に加え、騒音問題など社会的制約により13GWに留まる。また、洋上風力のポテンシャルは250GWに達するが、漁業権などの制約により70GWに留まる。うちわけは着床式が40GW、浮体式が30GWとみている。

 日本の太陽光・風力の発電コストは、2030年代後半にはガス火力を下回るものの、こうした立地制約により最大で275GWとなる。電源構成に占める比率は6割に留まり、欧州の再エネ比率が9割に達する可能性があるのに比べて、低い水準となる。これを補うために水素・アンモニア発電のシェアが9%程度になるという。水素とアンモニアでは、アンモニア発電が先行するものの、2050年には9割以上が水素発電になると予想する。

 一方、太陽光・風力の比率が高まることで、電力系統の安定的な運用に蓄電池の役割が高まり、2050年には新たに50GWを超える蓄電池が確保され、蓄電容量は、総発電量の9%に達することになると予想する。ただし、現状の蓄電技術はまだ未成熟で、今後関連技術の開発が必要とした(関連記事:「系統蓄電池に求められる高速制御、0.5秒の応答性を実現」、TMEICの澤田執行役員に聞く)。