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経産大臣、小川町のメガソーラー計画に抜本的な見直しを勧告

2022/02/24 22:19
工藤宗介=技術ライター
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「さいたま小川メガソーラー事業」の事業用地
「さいたま小川メガソーラー事業」の事業用地
(出所:「小川エナジー合同会社・さいたま小川町メガソーラー・環境影響評価準備書に係る審査書」・2022年2月・経済産業省)
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 萩生田光一経済産業大臣は2月22日、埼玉県小川町のメガソーラー(大規模太陽光発電所)開発プロジェクトに対し、抜本的な計画見直しを要請した。

 電気事業法第46条の14第1項の規定に基づく勧告になる。埼玉県小川町のメガソーラー(大規模太陽光発電所)開発プロジェクト「さいたま小川メガソーラー事業」の環境影響評価準備書について、事業主体である小川エナジー合同会社に対して、環境保全の観点から抜本的な計画見直しを含む勧告を行った。

 同事業は、敷地面積約86haに太陽光パネルの出力52.3745MW、連系出力39.6MWのメガソーラーを建設するもの。建設工事では、約29万9400m2を伐採し、合計約16万5000m2(盛土約9万6000m2、切土約6万9000m2)を造成する計画。盛土量は約72万m3、切土量は約36万5000m3の見込みで、切土量で不足する約35万5000m3は外部から搬入した土を利用するとしている。工事期間は約4年。2021年4月16日に環境影響評価準備書を受理した。

 工事計画では、大規模な森林伐採や土地の改変が行われ、のり高が特に大きい盛土や傾斜地盤上に行う盛土が計画され、また外部から大量の土砂搬入が計画されている。その一方で、準備書で検討されている環境保全措置では、環境影響ができる限り回避または低減されているかの検証がなされたと判断できないことから、抜本的な計画見直しを前提に、以下の取り組みを行うことを勧告した。

 「事業計画の今後の検討および実施にあたっては、関係機関などとの調整を十分に行い、周辺地域の安全・安心に配慮し、地域住民との協議会などにより丁寧かつ十分な説明を行うこと」、「大量の土砂搬入を前提とすることなく切土および盛土による工事計画の抜本的な見直しと、見直した計画による調査・予測・評価を再度実施し、その結果に応じて必要な環境保全措置を講ずることで環境への影響を回避または極力低減すること」を求めた。

 また、「見直し後の計画で仮に土砂搬入が必要となった場合、土質条件、土質試験の項目および頻度、土壌分析試験の項目および頻度など、受入条件を適切に検討した上で評価書に具体的に記載すること」「搬入土砂が必要最小限であること」「適切に認定された受入条件に基づき試験などが実施された土砂のみ使用することを地域住民などに丁寧かつ十分な説明を行うこと」「土砂が発生する工事名・工事場所・受入土量・土質などの搬入前の公表に努めること」も求めた。

 このほかにも、「事後調査および環境監視を適切に実施すること」「その結果を踏まえて必要に応じて追加的な環境保全措置を講じること」「追加的な環境保全措置の具体化では調査結果および専門感度の助言を踏まえて措置内容が十分なものとなるよう客観的かつ科学的に検討すること」「環境保全措置の検討の課程・内容・効果および不確実性の程度について報告書として取りまとめ公表すること」「環境監視の結果により追加的な環境保全措置を講じた場合も可能な限り報告書に取りまとめ公表に努めること」を求めた。

 また、勧告では、同条第4項の規定に基づき、大野元裕・埼玉県知事からの意見を勘案するよう、その写しを送付した。知事意見によると、「盛土量が、2021年7月に熱海市で発生した土砂災害事故に係る盛土量の約10倍の規模であること」「事業予定地が多様な生物種を保持する埼玉県屈指の豊かな里山生態系が形成されていること」「往復で1日300台以上の工事関係車両が走行する計画であることから、土砂災害誘発の恐れや地域環境への影響について地域住民から強い懸念の声が多数ある」と指摘。環境保全措置を講じたとしても、なお環境への重大な影響が払拭されない場合は、中止を含めた事業計画の見直しも検討されねばならないとしている。

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