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エネ関連法の改正案を閣議決定、「系統蓄電池」「洋上風力」を後押し

需要家の再エネ導入、空港への太陽光設置を推進

2022/03/03 17:56
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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洋上風力に関する日本版セントラル方式のイメージ
洋上風力に関する日本版セントラル方式のイメージ
(出所:経産省)
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「系統用蓄電池」を発電事業と位置付けた
「系統用蓄電池」を発電事業と位置付けた
(出所:経産省)
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 経済産業省は3月1日、エネルギーに関連した法律の改正案を閣議決定し、需給構造を再生可能エネルギー主体に転換するための施策を盛り込んだ。現在、開会中の第208回通常国会への提出する予定。

 改正したのは、省エネ法、エネルギー供給構造高度化法、JOGMEC法(石油天然ガス・金属鉱物資源機構法)、電気事業法、鉱業法の5つで、主な変更点は以下になる。

 省エネ法の改正では、需要家の「エネルギー使用の合理化」に省エネに加えて、再エネなど非化石エネルギーを加えた。特定事業者などに対しては、非化石エネルギーへの転換に関する中長期的な計画の作成を求める。これにより、製造プロセスの電化や水素利用、購入エネルギーの非化石化を促す。屋根上太陽光などのオンサイト型再エネやオフサイトに設置した再エネからの調達が推進されそうだ。

 また、電気事業者に対して、太陽光などの余剰が発生する時間帯の料金を安くする時間帯別メニューの創設などで、電力需要をシフトさせる取り組みを求める。

 高度化法の改正では、これまで位置づけが不明瞭であった「水素・アンモニア」を非化石エネルギー源として推進するとともに、「CCS(CO2回収・固定)付きの火力発電」も法律上に位置付けて、その利用を促すとした。

 JOGMEC法の改正では、新たな出資業務として、「洋上風力のために地質構造調査」「海外の大規模地熱の探索」「水素・アンモニアの製造・貯蔵」「CCS事業とそのための地層探査」「国内におけるレアメタルの選鉱・製錬」を追加した。

 「洋上風力のために地質構造調査」を加えたことで、政府主導で洋上風力の一括調査を進める「日本版セントラル方式」を導入する環境を整える。

 電気事業法の改正では、発電所の休廃止を「事後届出制」から「事前届出制」に変更する。加えて、大型蓄電池を系統に直接、連系する「系統用蓄電池」を電気事業法上の「発電事業」に位置付けることで、電力系統への接続を求めた場合、原則として接続可能とする環境を整備する。

 大型蓄電池は、太陽光と風力が急増するなかで、減少する火力発電所を補う脱炭素型調整力として期待されており、大規模な「系統用蓄電池」を発電事業として事前届出制に組み入れることで、設備容量を適切に把握して需給ひっ迫時に効果的に活用する。

 また、国土交通省の関連では、同日に航空法の改正案が閣議決定された。国土交通大臣による「航空脱炭素化推進基本方針」の策定、航空会社による「航空運送事業脱炭素化推進計画」の作成により、航空分野全体での脱炭素を推進する。

 加えて、空港における再エネ導入を推進していくため、空港管理者による「空港脱炭素化推進計画」の策定、航空会社や空港管理者など関係者が一体で推進していくための「空港脱炭素化推進協議会」制度の創設などが盛り込まれた。これにより空港施設や敷地での太陽光発電設備の導入が後押しされそうだ。

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