ニュース

UCC上島珈琲、「水素焙煎機」開発へ、太陽光・水力由来で

2022/03/03 22:10
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
クリックすると拡大した画像が開きます
UCC山梨焙煎所におけるエネルギー活用の仕組み
UCC山梨焙煎所におけるエネルギー活用の仕組み
(出所:UCC上島珈琲)
クリックすると拡大した画像が開きます

 ユーシーシー上島珈琲(UCC上島珈琲、神戸市)は3月2日、山梨県笛吹市に「UCC山梨焙煎所」を新設すると発表した。水素を熱源とした珈琲焙煎を可能にする「水素焙煎機」を開発し、「カーボンニュートラルなコーヒー製造」に取り組む。

 山梨県、東京電力エナジーパートナー(東電EP、東京都中央区)、巴商会(東京都大田区)、UCC上島珈琲、東レが同日に共同発表した、水素を熱源とした脱炭素エネルギーネットワーク「やまなしモデル」技術開発事業の一環。食品加工分野における脱炭素を推進する。

 コーヒー焙煎の熱源は、一般的にLNG(液化天然ガス)など化石燃料が使用される。UCC山梨焙煎所では、官民・業界の垣根を超えた連携により、水素焙煎機の開発や、太陽光や水力などの再生可能エネルギーの活用を通じて、2030年にCO2排出量を2019年比51%削減、2040年にカーボンニュートラルでの製造を目指す。

 最新鋭の設備導入により、高品質・高効率な焙煎所を運営する。コーヒー豆の製造量は年間1万7000tの見込みで、従来製品に加えて、カプセル、フレッシュキューブ(小容量真空パック)、ワンドリップタイプ(一杯抽出)など高付加価値製品の製造能力を強化する。2024年上期に竣工する予定。

 山梨県では、P2G(Power to Gas)システムの技術開発を推進しており、2021年6月からは県内でグリーン水素を製造し工場やスーパーマーケットで利用する社会実証も行っている。今回発表した「やまなしモデル」は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発」における「地域モデル構築技術開発事業」の採択を受け、小規模パッケージ化したP2Gシステムを開発する。

 2021年度から2025年度までの5年間で、500kWワンパックPEM(固体高分子)形P2Gシステムを開発し、国内の複数地点への導入を目指す。また、水素の大容量輸送技術の確立に向けた次世代カードル・トレーラーの開発、既存インフラと水素エネルギーを最大限活用した脱炭素グランドマスター工場のモデル化に取り組む。

 このほかにも、山梨県と東京電力ホールディングス(東電HD)、東レは2月28日、国内初となるP2G事業会社「やまなしハイドロジェンカンパニー(YHC)」を設立した。これまでのP2Gシステムの開発成果を更に発展させ、水素などのエネルギーサービス事業、技術開発・実証事業、普及拡大事業などに取り組む。資本金は2億円、出資比率は山梨県が50%、東電HDと東レが各25%。

  • 記事ランキング