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自民党・再エネ議連が三菱商事にヒアリング、低価格での入札を巡り

洋上風力・入札の評価方法に関して提言も検討

2022/03/09 21:50
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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自民党本部で開催された再エネ議連の会合
自民党本部で開催された再エネ議連の会合
(出所:日経BP)
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 自由民主党の再生可能エネルギー普及拡大議員連盟(会長・柴山昌彦衆議院議員)は3月4日、洋上風力発電プロジェクトに関して、三菱商事に対してヒアリングを行った。同社を含むコンソーシアムが秋田県と千葉県沖の3海域で、洋上風力の事業者に選定されたことを受け、入札価格の背景や、プロジェクトの概要、今後の方針などに関して聞いた。

 政府が、再エネ海域利用法(洋上新法)に基づき、昨年実施した3海域での洋上風力発電プロジェクトの入札では、いずれも三菱商事と中部電力系企業のコンソーシアムが落札し、最安値は11.99円/kWhという結果だった。この価格は、入札上限価格の29円/kWhを大きく下回り、ほかの入札参加者に比べて大幅に低価格だったことから、同コンソーシアムによるプロジェクトの実現性を巡って、懐疑的な見方もあった。

 再エネ議連の会議は、非公開だったが、会合の後、会長の柴山議員と、事務局長の秋本真利衆議院議員が記者会見を行った。柴山議員によると、三菱商事は、入札価格について、2019年に買収したオランダのエネルギー大手Enecoの持つ洋上風力事業の知見を元に適切なコストを精査して積み上げていった結果、と説明したという。

 需要家企業と連携するなど、固定価格買取制度(FIT)スキーム以外の収益を折り込んでいるのでは、との憶測に関しては、明確に否定したという。

 また、三菱商事は、洋上風力の建設や運営・保守に関して、地元企業との連携を重視していく方針で、すでに地元企業とコンタクトをとり、連携できる企業にめどを付けていると説明、洋上風力を地域の観光資源として活用するアイデアにも言及したという。

 柴山議員は、「三菱商事は、総合商社としての幅広い情報収集力をフルに生かすことで、他社よりも低価格を実現したということだろう。今後、他企業も含め、こうした知見を国内に幅広く広めていくことが重要」とした。また、秋本議員は、「今後の入札に生かすためにも、政府は、今回の落札結果に至った評価の詳細を公表すべき」とした。

 再エネ議連では、今回のヒアリングを踏まえ、洋上風力の入札制度における評価方法などに関して提言をまとめるかどうか、検討しているという。

 洋上風力の入札制度に関しては、すでに2月22日に日本風力発電協会が提言を発表しており、入札価格の比較では、その実現性を加味して評価することや、価格以外の事業実現性に関する評点の付け方の見直しなどを提案している。

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