ニュース

TMEICが水素製造向け整流器、高品質の「直流」実現

2022/03/10 21:01
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
印刷用ページ
脱炭素社会の実現に向け「水素」に期待が集まっている
脱炭素社会の実現に向け「水素」に期待が集まっている
燃料電池自動車向けの水素ステーション(出所:日経BP)
クリックすると拡大した画像が開きます

 東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は3月10日、水素製造プラント向けの新型整流器を開発し、今年2月から販売を開始したと発表した。

 水を電気分解して水素を製造する装置は直流の電流で稼働するため、周期的に流れの向きが変わる「交流」を、一定方向の流れである「直流」に変換する整流器(AC/DCコンバータ)が必要になる。

 ただ、従来の整流器では、周期的に脈を打つ交流を完全に平滑化できず、乱れ(脈動成分=リップル)が残り、こうした成分は、電解槽や電力系統にとってストレスになる。また、整流回路では、電流のひずみから高調波(周波数の高い電流)が発生することが多く、これも系統や電気機器などに悪影響を及ぼす。

 今回、TMEICの開発した新型整流器では、こうしたリップル、高調波の発生に対策を施し、高品質の「直流」を実現した。具体的には、「低リップル整流器」と「高調波レス・低リップル整流器」の2機種を製品化した。直流電流のリップルを大幅に減少させ、電解槽の劣化などの影響につながるストレスを低減する。

 「高調波レス・低リップル整流器」については、高調波電流の流出量をゼロにし、「低リップル整流器」についても、高調波を低減し、電力系統への影響を抑制するという。

 加えて、「高調波レス・低リップル整流器」では、無効電力を供給する機能も備え、系統電圧の変動を抑制する機能もある。

 こうした性能により、新型整流器は、今後、拡大が見込まれる再生可能エネルギー由来のグリーン水素製造プラントでの使用にも適しているという。100MW級の大型水素プラントに対しても、1台当たり数MW級の整流器を複数台組み合わせることで対応できる。

 TMEICのエネルギー・リソース・ソリューションズプロジェクトの吹上哲プロジェクトマネージャーは、「TMEICは、化学プラントや製鉄所にサイリスタ整流器を多数納入してきた実績がある。こうしたノウハウとこれまでに蓄積したパワーエレクトロニクス技術によって新型整流器を開発した。電源側への制約も少なく、グリーン水素が作られる様々な場所に設置できる」としている。

  • 記事ランキング