サウジアラビアのエネルギー会社であるACWA Powerは3月8日、同国アルカシム州に開発する出力約700MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)「ArRass」を電源としたPPA(電力供給契約)を、Saudi Power Procurement Companyと締結したと発表した。
ACWA Powerは契約に基づき、ArRassメガソーラーの発電電力を25年間、Saudi Power Procurement Companyに供給する。年間発電量は、サウジアラビア中心部の一般家庭約13万2000世帯の消費電力に相当する量を見込んでいる。
同メガソーラーは、約4億5000万米ドルの価値を持つとしている。
ACWA Powerが設備の40.1%を保有する。また、サウジアラビア政府出資のPublic Investment Fund(PIF)のポートフォリオ会社であるWater and Electricity Holding Company(Badeel)が20%を所有し、さらに、中国の投資法人が39.9%を所有する予定となっている。
資金面については、2022年第4四半期に完了する予定としている。
メガソーラーの開発・運営のパートナーとして、中国の太陽光パネル大手であるジンコソーラーホールディングの発電事業会社、ジンコパワー(JinkoPower)が関わる。
今回のPPAは、サウジアラビアのエネルギー相、アブドルアジズ・ビン・サルマン王子の立会いの下、締結された。
同王子は、2022~23年にかけて、約150GWの再生可能エネルギー開発プログラムを立ち上げることを明らかにした。これにより、サウジアラビアの電源構成を化石燃料由来から再エネ中心に移行するとしている。
Ar Rassメガソーラー・プロジェクトは、こうした再エネプログラムの一環として開発され、これまでに入札された最大規模のプロジェクトという。合計出力58.7GWを目標とし、このうち70%をACWA Powerが供給するとしている。
ACWA Powerはすでにサウジアラビアに300MWのメガソーラー「Sakaka」を運営している。
ジンコパワーは、「Sakaka」の開発・運営にも関わっている。
ACWA Powerはまた、サウジアラムコ、Water and Electricity Holding Company(Badeel)と、出力1.5GWの太陽光発電プロジェクト「Sudair」の開発にも取り組んでいる。