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商船三井、アジア初の新造「作業支援船」、台湾の洋上風力に投入

2022/03/13 20:49
工藤宗介=技術ライター
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アジア初の新造SOV「TSS PIONEER」
アジア初の新造SOV「TSS PIONEER」
(出所:商船三井)
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 商船三井は3月10日、洋上風力発電設備向けに、アジア初の新造SOV(Service Operation Vessel=大型作業支援船)「TSS PIONEER」が3月8日に竣工したと発表した。

 大三商航運股份有限公司(タ・サン・シャン・マリン、Ta San Shang Marine)を通じて建造したもので、 同社は、商船三井と台湾・大統海運(タ・トン・マリン、Ta Tong Marine)との合弁会社になる。

 SOVは、洋上風力発電所のメンテナンス技術者を複数の洋上風車に派遣するために多数の宿泊設備を持ち、一定期間洋上での活動が可能になる。洋上風車との距離を常時安全に保つためのダイナミック・ポジション・システム(DPS:自動船位保持機能装置)、技術者を安全に渡すために波などの船体動揺を吸収するモーション・コンペイセイション機能を持つギャングウェイ(人道橋)を搭載する。

 TSS PIONEERは、船長85.4m×全幅19.5m、計画喫水5.6m。最大乗船人員は約90人。ノルウェー・ヴァルド(VARD Group)がベトナムに保有する造船所のヴァルド・ブンタオ(VARD Vung Tau)で建造された。船籍は台湾になる。

 操業の準備が整い次第、デンマークの洋上風力発電事業者であるオーステッド(Ørsted)へ定期貸船され、オーステッドが開発する台湾最大規模となる出力900MWの洋上風力発電所「大彰化(Greater Changhua)洋上風力発電所」のメンテナンス支援に投入される。契約期間は15年間(最大20年間まで延長可能)。

 台湾では、電源構成に占める再生可能エネルギーの割合目標として2025年20%、2030年30%を掲げている。特に洋上風力発電への期待は大きく、2020〜25年に合計5.6GWの系統接続許可が発効され、さらに2026〜35年に追加で15GWが計画される。

 商船三井では、欧州および日本を含むアジア全域を対象に、2025年までにTSS PIONEERを含む3〜4隻のSOV建造を目標としている。

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