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「閉鎖型ソーラーシェアリング」で果樹栽培、1反で約1600万円

2022/03/13 20:59
工藤宗介=技術ライター
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アグリソーラーハウス
アグリソーラーハウス
(出所:ネクストイノベーション)
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アグリソーラーハウス
アグリソーラーハウス
(出所:ネクストイノベーション)
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イチジクの栽培例
イチジクの栽培例
(出所:ネクストイノベーション)
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 ソーラーシェアリング(営農型太陽光所)事業を展開するネクストイノベーション(岡山県玉野市)は3月10日、同事業の一環として、果樹苗木・農業資材の通信販売および就農支援事業サービス「モンベルジェ」を開始したと発表した。

 同社は、農業用ハウスのような閉鎖型のソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)システム「アグリソーラーハウス」を開発・販売する。

 アグリソーラーハウスは、昨今の気候変動への対応でより望ましいとされる閉鎖型農業用ハウスと同等の機能を備える。また、農業IoTシステムにより、温度管理や潅水管理といった農作業の省力化が可能。太陽光パネルの最適配置や透明パネルの使用により、遮光率を標準で50%、最大で30%まで下げられ、農作物の栽培に最適な環境を構築できるという。

 敷地面積(農地)約1反(約1アール)の場合、発電所サイズは12.6m×55m(693m2)。高さは内部梁までが2.8m、太陽光パネルまでが最高3.5m。支柱ピッチは3.3~4m。JIS規格に準拠しており、強度計算書の発行も可能。太陽光パネルは中国LONGiソーラー製440W/枚を180枚設置した。太陽光パネルの出力は約80kW、連系出力は49.5kW。参考価格(税別)は、遮光率50%の場合で約1600万円、遮光率30%の場合は約2000万円。

 同社では、固定価格買取制度(FIT)で運用した場合(売電単価は税別11円/kWh)、売電収入は1年目が113万7206円、20年間で合計2274万4128円と試算。一般的な農業用ハウスは1反で1000万円を超えるため、売電収入で施設費を相殺できるメリットは大きいとしている。なお、果樹などを栽培する場合は遮光率を30%まで下げる必要があり、発電量を維持するには発電所サイズを約1.2反まで拡大する必要がある。

 また、新サービスのモンベルジェは、果樹苗木全般を取り扱い、栽培設備から苗木、栽培技術指導、販売戦略までワンストップで果樹園や観光農園の事業化、新規就農支援サービスを行う。特にイチジク苗木は、オリジナル品種も含めて39品種を揃える。

 イチジクは、高齢者などでも比較的容易に栽培できる特産果樹としても奨励されており、無加温ハウス栽培やコンテナを用いた超密植省力栽培方式による収量増加や品質向上が見込め、投資回収が容易という。また、栽培上の光条件がソーラーシェアリングの環境条件とマッチしており、安定した売電収益も確保できるとしている。

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