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予防保全の提案で、オリックス系、TMEICなど6社が共同出展

ドローンやAI活用、パワコン実機で日常点検を解説

2022/03/15 16:38
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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トップ企業6社で共同出展
トップ企業6社で共同出展
(出所:OREM)
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「ターンアラウンドサポートサービス」
「ターンアラウンドサポートサービス」
(出所:OREM)
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500kW機の実機を使って点検を解説
500kW機の実機を使って点検を解説
(出所:TMEIC)
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 オリックスグループのオリックス・リニューアブルエナジー・マネジメント(OREM:東京都江東区)は、「スマートグリッドEXPO」(3月16~18日、東京ビッグサイトで開催予定)において、太陽光発電所のアセットマネジメント(AM)やO&M(運用・保守)関連サービスを展開する6社で共同出展し、太陽光発電所の最適管理を実現するサービスをトータルで提案する。

 同社のほか、パワーコンディショナー(PCS)大手の東芝三菱電機産業システム(TMEIC)、遠隔監視・制御システムのオーナンバ、除草剤のレインボー薬品、ドローン(無人小型飛行体)を使った調査・土木評価査定のジオシステムの5社が、前回とともに共同出展する。

 今回新たに、OREMがAMやO&Mで活用しているソフトウェアを提供しているシンガポールのEnvision Digitalが加わり、それぞれの分野のトップ企業6社が手を組んだ。

 OREMは共同出展を通じ、太陽光発電所のO&Mサービスなどで、予防保全の考え方から新たな方向性を打ち出す。

 これまでの太陽光発電所のO&Mは、定期的なメンテナンス作業などによって設備の劣化を食いとめるといった考え方が主流だった。これに対し今回の展示会では、不具合の可能性を最小に抑え、発電ロスを抑えて売電収入を最大化することで、太陽光発電所への投資効率をより高めるようなO&Mを提案する。

 共同出展する6社は、それぞれ専門的な技術に強みを持つ。それらを融合することで、こうしたO&Mの方向性に実現できるとしている。

 共同出展ブースでは、太陽光発電所の長期間の管理におけるさまざまな悩みに対し、適切な対処法などを提案する。

 OREMは、グループ外の稼働済みの太陽光発電所に対する現状の状態や発電量の向上余地などを提案するサービスを紹介する。

 オリックスグループが運営している太陽光発電所の合計出力約850MWのAM、同約450MW のO&Mを担当している経験を生かしたもので、グループ外の稼働済みメガソーラーにとって、O&Mの委託先を切り替えることが難しい場合でも、OREMによる分析や発電量を向上させる施策、その費用対効果といった知見を活用できるという。

 今回の出展を機に提案するサービスとし、「ターンアラウンドサポートサービス」と称している。

 ドローンによる空撮画像から、AI(人工知能)によるデータの自動解析などを活用してメガソーラーの状態を詳しく分析し、さらに、その結果をもとに技術者による現地調査を経て、売電収益を最大化できるマネジメント方法をレポートとして提供する。

 このレポートでは、発電設備の状態悪化や故障リスクを未然に防ぐための具体的な施策や、そのための保守管理を実施した場合の費用対効果を把握できる。

 TMEICは、メガソーラー向けで世界トップクラスの実績を持つPCSメーカーで、今回の共同出展では、PCSのハードウェアではなく、太陽光発電所の安定運転に不可欠なPCSの適切な保守・運用や予防保全の方法を紹介する。

 国内のメガソーラーで最も普及している自社の定格容量500kW機の実機を設置し、この実機を使って、日常の点検で確認すべき場所、トラブルの予兆を見つけやすい場所などを解説する。

 実機を使った解説は、1日4回、15分間ずつ実施する。感染症対策のため、1回に実機の前で解説を受けられる人数は最大で10人とし、希望者がそれ以上の場合は抽選でこの10人を選ぶ。この解説を受けたい希望者は、共同出展のブースで申し込む。

 また、最近では、蓄電池併設型の案件で、太陽光・風力発電向けの蓄電池システム「TMBCS(TMEIC蓄電池コントロールシステム)」と組み合わせた採用も増えてきた。TMBCSでは、蓄電池のきめ細かい制御・監視、設備の安全運用を実現でき、容量市場向けにも対応できることなどを紹介する。

 オーナンバは、高圧・特別高圧案件向けの統合型監視・制御システムなどに強みを持つ。電力会社による出力制御にも対応しており、九州での採用も多い。蓄電池との連携や、PCSの出力最適制御、複数の太陽光発電所の統合監視画面なども可能で、幅広いニーズに応じたシステムを提供している。

 自家消費向けでは、逆潮流防止制御や蓄電池との連携制御、空調の消費電力の最小化制御などによって、ピークシフトなどの要望に合わせた制御・監視、BCPへの対応も1つのシステムで実現できる。

 ジオシステムは、造成の評価といった土木に強みがあり、ドローンを使った発電所における土木の評価、太陽光パネルの異常を発見するサービスを手掛ける。土砂の流出を防ぎやすい工法も紹介する。

 Envision Digitalは、OREMも広く活用しているソフトウェアなどを紹介する。遠隔監視システムで収集したデータをソフトウェアが自動で分析し、発電所のさまざまな状態を定量化できる。

 例えば、発電設備の性能の低下、何らかの異常が原因とみられる状況を検知し、その性能の低下や異常を修復した場合のコストまで表示する。故障にまでは至っていないが、その兆候を把握して警報し、表示できる。

 OREMは、このシステムを使って、予防保全型のO&Mサービスを効率的に実現している。

 レインボー薬品は、太陽光発電所で活用されている除草剤で強みを持つ。発電所の土地の特性、その地域の事情などを考慮し、複数の対策を組み合わせた雑草管理プランを提案する。粒剤を自動で散布できるロボットも紹介する。

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