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ペロブスカイト太陽電池、カネカがフィルム型で最高効率

2022/03/23 19:55
工藤宗介=技術ライター
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ポリイミドを基板に用いた10cm角サイズの超薄型ペロブスカイト太陽電池の開発品
ポリイミドを基板に用いた10cm角サイズの超薄型ペロブスカイト太陽電池の開発品
(出所:カネカ)
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 カネカは、高性能ペロブスカイト太陽電池の実用化技術の開発に取り組んでいる。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業「グリーンイノベーション基金事業/次世代型太陽電池の開発」に採択された。3月16日に発表した。

 同社は、自社設計のポリイミドを基板に用い、薄膜シリコン太陽電池の量産技術を活用することで、世界最薄水準である約10μm厚の超薄型ペロブスカイト太陽電池を開発している。また、この開発を通じてフィルム型ペロブスカイト太陽電池における世界最高水準となる20%に迫る変換効率を実現した。

 今回のNEDO事業への採択を受けて、ペロブスカイト太陽電池の社会実装を目指して「サイズフリー・超薄型の特長を生かした高性能ペロブスカイト太陽電池の実用化技術開発」を進めていく。信頼性の優れたセル(発電素子)のモジュール開発および、それを実現するプロセスの開発に取り組む。

 グリーンイノベーション基金事業は、政府が掲げる2050年カーボンニュートラル実現に向けて、経済産業省が総額2兆円の基金を造成し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、経営課題として取り組む企業などを研究開発・実証から社会実装までを10年間継続して支援するもの。

 同事業における重要分野のひとつである次世代型太陽電池の開発では、耐荷重の小さい工場の屋根やビル壁面など、既存技術では太陽電池を設置できなかった場所に太陽光発電を導入するため、軽さと建物の曲面などにも設置可能な柔軟性などを持たせ、性能面でも既存電池に匹敵する次世代型ペロブスカイト太陽電池の実用化を目指す。

 900cm2以上の実用サイズモジュールと一定条件下で発電コスト20円/kWh以下の実現を目指し、塗布工程・電極形成・封止工程など各製造プロセスの個別要素技術の確立に向けた研究開発を行う。カネカなど6プロジェクトを採択した。実施期間は2021年度~2025年度。予算額は200億円(全体498億円の内数)の予定。

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