東京ガスは3月23日、横浜市にある同社の研究施設「横浜テクノステーション」において、水素とCO2から天然ガスの主成分であるメタンを合成する技術であるメタネーションの実証試験を開始したと発表した。
実証実験は、再生可能エネルギー由来の電力調達から水電解によるグリーン水素の製造、さらに合成メタン製造・利用までの一連の技術・ノウハウの獲得、水電解装置、サバティエ反応によるメタネーション装置の実力値や課題の把握、システム全体での効率などの知見獲得を目的とする。英ITM Power製の水電解装置(製造能力30.9kg/h)、日立造船製のメタネーション装置(製造能力12.5Nm3/h)を導入した。
また、横浜市などと連携して地域のカーボンニュートラルに向けた地産地消モデルの検討、より大規模な実証試験、サプライチェーン構築に向けて課題を抽出し、解決策を検討する。将来的には、一層の効率化や低コスト化が期待できる「ハイブリッドサバティエ」「PEMCO2還元」「バイオリアクター」など、革新的な反応技術についても、国立研究所、大学、企業などさまざまな機関と連携して研究・開発を進め、早期の実証実験の開始、実用化を目指す。
メタネーションは、将来の都市ガスの脱炭素化に向けた有望技術のひとつとして期待される。東京ガスグループは、経営ビジョン「Compass2030」において「CO2ネット・ゼロへの挑戦」を掲げ、メタネーション・水素技術を自社コア技術として確立することを目指している。