ニュース

九電みらい、商用スケールでの大型潮流発電を実証

2022/03/26 08:36
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
クリックすると拡大した画像が開きます
海底に設置した潮流発電機
海底に設置した潮流発電機
クリックすると拡大した画像が開きます
潮流発電機の改造イメージ
潮流発電機の改造イメージ
クリックすると拡大した画像が開きます
実証事業のイメージ
実証事業のイメージ
クリックすると拡大した画像が開きます
潮流発電機の設置場所
潮流発電機の設置場所
(出所:九電みらいエナジー)
クリックすると拡大した画像が開きます

 九電みらいエナジー(福岡市)は、国内初となる商用スケールでの大型潮流発電を実証する。3月14日、環境省が実施した令和4年度「潮流発電による地域の脱炭素化モデル構築事業」の公募において、同社を事業実施主体とする提案が採択されたと発表した。国内の環境や技術基準などに適合した潮流発電技術を確立し、早期の実用化を目指す。

 同社は、2019~2021年度の環境省事業において、英SIMEC Atlantis Energy(SAE)製の潮流発電設備による実証実験を実施。工事・発電に必要な許認可手続きの確立、安全・確実な発電設備の施工、シミュレーション通りの発電の確認、日本海事協会のClassNK認証取得および国の電気事業法に基づく使用前検査に合格し安定した運転を確認した。発電設備の出力は500kWで、11カ月間の稼働で合計24万kWhを発電した。

 今回の実証実験は、潮流発電システムの商用化の見通しを得ることを目的とする。前回の実証実験で用いた500kWの潮流発電設備を1000kW(1MW)級に改造し、電力系統に連系して実証する。潮流発電設備の高効率化による発電コストの低減などによる技術面の実用化と、商用化に向けてビジネスモデルを構築する。

 発電設備は、ブレード(羽根)長を拡大するとともに、潮の向き(上げ潮・下げ潮)により発電設備の向きを可変させるヨー制御、潮の速さによりブレードの傾斜を可変させるピッチ制御を追加して、発電効率を高める。設置場所は、前回の実証と同じ長崎県五島市沖奈留瀬戸の水深約40mの海底になる。

 出力1100kW、設備利用率25%と想定した場合、1日あたりの発電量は6600kWh、年間発電量は240万9000kWhの見込みで、一般家庭約800世帯分に相当する。2022年度に機器設計、発電設備の部材、部品製造・調達を開始。2023年度に発電設備の改造および設置、2024年度に発電開始、2025年度に実証運の転終了後、機器を回収する。

  • 記事ランキング