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日立造船と鹿島、浮体式洋上風力の低コスト化で共同研究

2022/03/26 08:52
工藤宗介=技術ライター
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セミサブ型ハイブリッド浮体のイメージ図
セミサブ型ハイブリッド浮体のイメージ図
(出所:日立造船)
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セミサブ型ウィンドファームのイメージ図
セミサブ型ウィンドファームのイメージ図
(出所:日立造船)
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 日立造船と鹿島建設は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業「グリーンイノベーション基金事業/洋上風力発電の低コスト化」のうち「浮体式基礎製造・設置低コスト化技術開発事業」の1つに採択され、3月18日付で事業を開始した。

 両社は「セミサブ型ハイブリッド浮体の量産化・低コスト化」をテーマに、浮体式基礎の最適化、浮体式基礎の量産化、ハイブリッド係留システムについて共同で研究開発を行う。幹事会社は日立造船で、実施期間は2024年3月末までの予定。

 浮体は半潜水状態に沈めるセミサブ型で、鋼材とコンクリートによるハイブリッド構造を採用する。セミサブ型浮体は、喫水が浅いため港湾内で風車据え付け後に設置海域まで曳航できることや、波の影響を受けにくい構造のため風車やタワーへの負担が小さく風車稼働率が高い、といった特徴を持つ。福島県沖や欧州などで設置実績がある。

 日立造船は、世界初の旋回式浮体橋「夢舞大橋」や沈埋函など大型海洋構造物を多数手掛けている。また、鹿島も沈埋函やハイブリッドケーソンなどの大型海洋構造物で豊富な設計・施工実績がある。今回の研究開発では、両社がこれまで培ってきた技術力を融合し、その成果を将来の実用化につなげていく。

 グリーンイノベーション基金事業は、政府が掲げる2050年カーボンニュートラル実現に向けて、経済産業省が総額2兆円の基金を造成し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、経営課題として取り組む企業などを研究開発・実証から実用化までを10年間継続して支援する。

 浮体式基礎製造・設置低コスト化技術開発事業は、2030年までに浮体式洋上風力発電を国際競争力のあるコスト水準で商用化する技術の確立を目指すもの。日立造船と鹿島のプロジェクトを含む6つのプロジェクトが採択された。事業規模は総額約133億円、支援規模は総額約100億円。補助率は3分の2(インセンティブ率は10%)。

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