IHIは、オーストラリア法人のIHI Engineering Australiaを通じて、同国クイーンランド州営電力会社のCS Energyから、太陽光発電から水素を製造・販売する「コーガン水素実証プロジェクト」におけるデモプラントの設計・調達・建設業務を受注したと発表した。
2018年に開設した「そうまIHIグリーンエネルギーセンター」における開発・運用で培った知見を活用し、CS Energyが所有するコーガンクリーク発電所の隣接地に実証プラントを建設する。出力2.5MWの太陽光発電、容量4MWhの蓄電池、出力690kWの水電解装置、出力80kWの燃料電池から構成され、水素製造能力は年産50t。
2023年夏季に稼動し、実証期間は約半年間の予定。太陽光発電の電力から水素を製造して販売するとともに、余剰電力を電力市場に販売することを目指す。
オーストラリア北東部に位置するクイーンズランド州は、アジアに近接していることや、豊富な日射量によるグリーン水素の製造で優位性があることから「水素関連産業」の発展が期待される。2020年から事業化に向けた検討を開始。再エネを活用した水素製造プロセスや水素市場などを検証することでプロジェクトの事業性を評価し、デモプラントの建設を決定した。
CS Energyは、オーストラリアで3500MW(3.5GW)の電力を供給している。IHIは、これまで同社へカライドC石炭火力発電所(420MW×2基、2001年運転開始)を建設・納入した。また、カライドA石炭火力発電所での酸素燃焼の実証プロジェクト「Oxyfuel Project」(2004~2018年)にプロジェクトパートナーとして参加した。