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NAS電池で「需給調整市場」に参入、合計4.4MW

中部電力ミライズと日本ガイシがVPP技術を開発

2022/04/06 22:11
工藤宗介=技術ライター
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NAS電池による需給調整市場への供出(応札)の仕組み
NAS電池による需給調整市場への供出(応札)の仕組み
(出所:中部電力ミライズ)
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 中部電力ミライズと日本ガイシは4月5日、需給調整市場への参入を発表した。系統安定化用の蓄電池としてNAS電池を活用し、調整力の供出を開始した。

 需給調整市場は、太陽光や風力といった再生可能エネルギー電力の導入拡大が見込まれるなか、電力の需要と供給の差(需給ギャップ)をなくすための電源確保を目的に2021年4月に開設された。しかし、調整力の取引は、2022年3月時点で応札量の不足(調達量未達)が続いており、再エネ拡大に向けて調整力の供出(応札)が求められていた。

 両社は2021年から、需給調整市場への参入に向けて、中部電力ミライズがリソース制御を行うアグリゲーターとなり、日本ガイシの開発したNAS電池と豊田通商が提供する「蓄電池群制御」を活用したVPP(仮想発電所)技術を実証してきた。今回、複数事業所のリソース(電力関連設備)を高精度・高速に制御できる「DR高速制御エンジン」を開発した。

 愛知県小牧市の日本ガイシ小牧事業所に設置した容量2.4MWのNAS電池、愛知県半田市の同社知多事業所に設置した容量2MWのNAS電池をリソースとしたVPPを構築。高出力・大容量・高速応答性に優れたNAS電池を活用して、需給調整市場に調整力(三次調整力2=応動時間45分以内、継続時間3時間、指令間隔30分)を提供する。

 同技術は、顧客の電力使用実績値のリアルタイム計測による高速フィードバック制御が可能、ピークカットや非常電源などの他用途と共存可能、といった特徴を持つ。また、複数事業所のエネルギーリソースを組み合わせることで、単体では市場要件を満たせないエネルギーリソースについても市場供出が可能で、顧客の参入障壁を低減した(関連記事:「系統蓄電池に求められる高速制御、0.5秒の応答性を実現」、TMEICの澤田執行役員に聞く)。

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