大阪ガスは4月12日、オーストラリアの水素関連企業アクアエアレム(AQUA AEREM)と、太陽光発電の電力と大気中から回収した水を原料に水素を製造する「デザートブルームハイドロジェンプロジェクト」について共同開発に関する契約を締結した。
アクアエアレムは、大気中からの水回収技術で特許を取得しているベンチャー企業。現在、同社の筆頭株主であるサングイン(Sanguine Impact Investment)とともに「水生産ユニット」の実証実験を進めている。今後、大阪ガスと共同で、グリーン水素製造プラントの設計や製造した水素の供給先などに関して検討する予定。
プラント建設地のオーストラリア北部準州は、日射量が多く太陽光発電に適する一方、乾燥地帯で水資源に乏しい地域になる。アクアエアレムの独自技術により大気中から水を回収することで、グリーン水素の製造が可能になるとしている。
まず2023年中に8MW規模の太陽光発電により年間400tの水素を製造するプラントの建設を目指す。長期的には、複数の水素製造プラントを建設し、10GW規模の太陽光発電で年間約40万tの水素製造を目指す。
大阪ガスは、ガス製造事業や水素関連事業で培ったノウハウを活用してプラントの基本設計(FEED)、建設に関する技術を支援する。また、同プロジェクトへの参画を通じて、水素開発に関する新たな知見を得たい考え。