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大ガス、「SOECメタネーション」開発加速、研究拠点を新設

2022/04/20 19:55
工藤宗介=技術ライター
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SOECメタネーション技術の概要
SOECメタネーション技術の概要
(出所:大阪ガス)
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SOECメタネーションパイロットプラントのイメージ
SOECメタネーションパイロットプラントのイメージ
(出所:大阪ガス)
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事業スケジュール
事業スケジュール
(出所:大阪ガス)
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事業体制
事業体制
(出所:大阪ガス)
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新研究開発拠点の外観イメージ
新研究開発拠点の外観イメージ
(出所:大阪ガス)
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 大阪ガスは、世界最高レベルのエネルギー変換効率を実現する合成メタン製造技術である「SOECメタネーション」の開発に取り組んでいる。4月19日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業に採択されたと発表した。

 採択された実証事業は、「グリーンイノベーション基金事業/CO2等を用いた燃料製造技術開発プロジェクト」の研究開発項目のひとつ「合成メタン製造に係る革新的技術開発」で、産業技術総合研究所(産総研)と共同提案になる。

 「SOECメタネーション」とは、まず再生可能エネルギーなどにより水とCO2を電気分解して水素や一酸化炭素を生成、次に触媒反応によってメタンを合成する。原料として水素を調達する必要がなく、約700~800℃の高温で電気分解することで必要電力などを削減できる。さらに、変換効率では、従来のメタネーションの約55~60%と比べて、約85~90%を実現でき、合成メタン製造コストの大幅な低減が期待できる。

 大阪ガスは2021年1月、金属支持型SOECの実用サイズセルの試作に国内で初めて成功した。同事業では、金属支持型SOEC技術やガス合成触媒・プロセス技術を持つ大阪ガスが幹事企業となり、SOECやガス合成に関する高度基盤技術を持つ産総研と共同で、2030年度のSOECメタネーション技術確率を目指す。なお、大阪ガスから東芝エネルギーシステムズに委託、産総研から京都大学、群馬大学、関西学院大学、長岡工業高等専門学校に委託する予定。

 革新的な要素技術として、SOEC電解セルスタック・電解装置、ガス合成反応制御技術、システム構成最適化・熱有効利用技術の開発に取り組む。また、小規模試験として2022~2024年度にラボスケール試験(合成メタン製造規模0.1Nm3/h、一般家庭2戸相当)、2025~2027年度にベンチスケール試験(10Nm3/h級、約200戸相当)、2028~2030年度にパイロットスケール試験(400Nm3/h級、約1万戸相当)を行う予定。

 また、大阪ガスは同日、大阪市此花区の酉島地区に、SOECメタネーションなどのカーボンニュートラル技術をはじめとした研究開発や情報発信、社外との共創を推進する新たな研究開発拠点を設置すると発表した。大阪・関西万博の開催が予定される2025年の稼働を目指す。

 酉島地区では、1947年に同社初の研究開発拠点を設立して以来、さまざまな研究開発を行ってきた。2021年10月にはカーボンニュートラル技術の研究開発拠点「Carbon Neutral Research Hub(CNRH)」を開設している。新研究開発拠点は、CNRHの中心施設としてカーボンニュートラルに向けた研究開発を集約するほか、従来のエネルギー技術研究所の機能も移転する。

 敷地面積約2万7000m2に、新研究棟と屋外フィールドを配置する。新研究棟は、地上3階建て延床面積1万4000m2で、社外との交流を深められる共創・展示エリアを設置する予定。屋外フィールドの面積は1万7000m2で、カーボンニュートラル技術の試験設備を設置する予定。SOECメタネーション施設も屋外フィールドに設置する予定で、ベンチスケール試験とパイロットスケール試験に対応できるスペースを確保する。

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