米アップル(Apple)は4月14日、同社のサプライヤーによる再生可能エネルギー電力使用量が昨年1年間で2倍以上に拡大し、今後数年間の取り組み全体で達成する見込みの約16GWのうり、現時点で10GW以上を達成したと発表した。
同プロジェクトにより、年間300万台の自動車に相当する1390万tのCO2排出量が削減されたという。
アップルは、2020年にグローバルな事業活動におけるカーボンニュートラルを達成しており、2030年までにサプライチェーン全体でカーボンニュートラルを達成するという目標を掲げている。現時点で、同社のサプライヤーのうち213社が25カ国で同社製品の製造をすべて再エネ電力で賄うことを約束している。
同日、数十件の新たな取り組みを発表した。日本では、2021年にキオクシアやシャープなど新たに20社のサプライヤーが再エネへの取り組みを表明した。日東電工などサプライヤーの多くは施設内の太陽光発電設備に投資しており、恵和はアップル製品製造用の電力を三重県などにある風力発電によって賄っている。
欧州では、独Infineon、独Viscom、蘭Lumiledsなど11社のサプライヤーが新たに再エネへの取り組みを表明し、合計で25社になった。米国では、DuPontやMicron Technologyが新しい取り組みを発表したほか、SolvayとCorningはアップルへの協力の一環としてノースカロライナ州とサウスカロライナ州にある最大規模の太陽光発電施設の一部を支援している。
中国では、新たに23社が同プログラムに参画した。中国に本国を置くアップル主要サプライヤーのほとんどすべてが同社製品の製造で再エネ利用に取り組んでおり、その多くが施設内に太陽光発電設備を建設すると同時に、国の再エネ電力への移行を支援している。韓国では、LG DisplayとSamsung SDIが参画表明し、合計13社のサプライヤーが再エネ利用に取り組むことになった。
アップルは現在、米国テキサス州ブラウン群で今年後半に完成予定の出力300MWのIP Radian Solarプロジェクトに直接投資している。この投資は、顧客が同社製デバイスの充電のために使用する電力に対応するためで、同社のカーボンフットプリント全体の22%にあたるとしている。また、日本と中国における約500MWの太陽光発電など世界中の再エネプロジェクトに直接投資している。
このほかにも、アップルは、世界各地の資源の少ない地域コミュニティが再エネを利用できるようにするPower for Impactプログラムを推進している。現在、コロンビア、フィリピン、南アフリカの太陽光発電プロジェクトにより、深刻なエネルギー不足に直面するコミュニティに低価格で安定した電力を供給している。引き続き同プログラムを、イスラエル、ナイジェリア、タイ、ベトナムなど、世界の他地域にも拡大していく。