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ペロブスカイト太陽電池、量産本格化で400億円市場

2022/04/21 19:39
工藤宗介=技術ライター
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新型・次世代太陽電池の世界市場
新型・次世代太陽電池の世界市場
(出所:富士経済)
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 富士経済(東京都中央区)は4月20日、新型・次世代太陽電池の世界市場に関する調査結果を発表した。対象としたのは、ペロブスカイト太陽電池、色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池。それによると、2022年の市場規模は前年比1.7倍となる640億円の見込み。その後は右肩上がりに成長し、2035年には2021年比22.6倍となる8300億円まで拡大すると予測している。

 ペロブスカイト太陽電池(PSC)は、結晶シリコン(C-Si)をはじめとする既存の太陽電池の代替需要獲得が期待される。欧州や中国のベンチャー企業を中心に、2020年から2021年にかけて商用化が始まり、2022年の市場は前年比2.7倍となる400億円の見込み。

 2022年以降、本格的な量産が開始され、特に既存太陽電池からの屋外用途の代替需要で高い市場ポテンシャルが期待される。今後、建材一体型太陽電池(BIPV)などの建材用途、C-Si太陽電池の上にPSCを乗せて発電効率を向上させたタンデム型の量産化により、2035年には2021年比48.0倍の7200億円と予測する。

 色素増感太陽電池(DSC)は、主に無線通信・センサー用電源として市場形成の初期段階にあり、2022年の市場は60億円が見込まれる。既存のアモルファスシリコン(A-Si)太陽電池や一次電池に対してコスト面で優位性を確立できておらず、1製品あたりの搭載容量がmW単位と小さいことから量産化には至っていない

 一方、デザイン性や軽量、ポータブルといった特徴を生かし、DSCを搭載する一般消費者向け製品を開発する企業もみられる。今後は発電デバイス単体ではなく、通信デバイスやセンサー、蓄電池など一体化したモジュールとしての提案を中心に採用が広がり、2035年は350億円と予測する。

 有機薄膜太陽電池(OPV)は、DSCよりも量産化や事業化を進めている企業が多く、年間100万m2規模の生産能力を持つ企業も複数ある。印刷技術を応用したフィルム基板の製品が中心で、主にBIPVや建材、窓枠用としての採用が拡大している。また、透明性やデザイン性を重視した室内用窓フィルムや衣料品、タペストリーなどでも応用製品が見られる。2022年は180億円の見込み、2035年は750億円と予測する。

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