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熊本で温泉バイナリー発電、排熱を温室栽培に利用

2022/04/26 18:44
工藤宗介=技術ライター
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わいた温泉郷
わいた温泉郷
(出所:ベースロードパワージャパン)
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わいた温泉郷
わいた温泉郷
(出所:ベースロードパワージャパン)
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 熊本県小国町のわいた温泉郷に出力99kWの温泉バイナリー発電所「山翠パワー地熱発電所」が運転を開始した。わいた温泉郷の旅館「山翠(さんすい)」、ベースロードパワージャパン(東京都港区)、ふるさと熱電(熊本県小国町)が4月26日に発表した。

 旅館「山翠」にある既存の温泉井戸から噴出する蒸気を、2カ所に設置したバイナリー発電設備まで輸送し、蒸気と低沸点媒体を熱交換することでタービンを回して発電する。年間発電量は、一般家庭約200世帯分に相当する約700MWhの見込み。

 バイナリー発電設備はスウェーデンのClimeon製を採用、EPC(設計・調達・施工)サービスは東京エネシス(東京都中央区)が担当した。

 発電した電力は、固定価格買取制度(FIT)に基づき九州電力送配電に売電する。買取価格は40円/kWh。その後、九州電力送配電から特定卸供給の仕組みで中央電力(東京都千代田区)が供給を受け、同社が推進する「RE100対応・温泉旅館地熱発電プロジェクト」を通じて、同プロジェクトに賛同する全国の電力消費者に提供される。

 わいた温泉郷では、地域が一体となって地熱の活用を進めている。2015年に最初の地熱発電所が運転を開始し、現在は温泉バイナリー発電を含む複数の地熱発電所が稼働している。また、発電に使われた熱水をパクチーやバジルなどの温室栽培に利用している。

 ベースロードパワージャパンは、スウェーデンの投資会社ベースロードキャピタルの完全子会社で、地熱発電開発の許認可・建設・運営を行う事業会社。ふるさと熱電は、地熱を活用した地域創生事業会社。現在、フラッシュ型の「わいた第1地熱発電所」(出力2MW)、その余剰熱水を活用した「わいた第1地熱バイナリー発電所」(出力150kW、ベースロードパワーとの共同運営)を運営している。

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