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再エネ水素とバイオガスからメタン合成、大ガスが実証

2022/04/29 11:00
工藤宗介=技術ライター
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メタネーションによる水素サプライチェーン構築イメージ
メタネーションによる水素サプライチェーン構築イメージ
(出所:大阪ガス)
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 大阪ガスは、大阪市や大阪広域環境施設組合の協力のもと、水素サプライチェーン構築を目指す実証実験を開始する。再生可能エネルギー由来の水素と生ごみを発酵させて製造したバイオガスを使い、メタネーション技術によってメタンを合成する。製造した合成メタンは、配管で輸送して都市ガス消費機器で利用する。4月27日に発表した。

 メタネーションは、水素とCO2から都市ガスの主成分であるメタンを合成する技術。また、バイオガスは、一般にメタン約60%とCO2約40%で構成される。同実証では、都市部の生ごみからバイオガスを製造した後、バイオガス中のCO2をメタネーションすることでメタンを増加させ、バイオガスのさらなる有効活用につなげていく。

 まず、大阪広域環境施設組合が運営管理する大阪市此花区にあるごみ焼却工場(舞洲工場)の敷地内で、再エネ由来水素と日量1tの生ごみから得られるバイオガスから5Nm3/h規模のメタンを製造する。都市ガスとして使用した場合、約120世帯分に相当する。製造したメタンは、ガス調理機器・給湯器などで利用し、安定的にメタン製造・利用できるか確認する。

 メタネーションには、大阪ガスの見出した微生物を用いたバイオメタネーション設備と、日立造船の触媒を用いたサバティエ反応によるメタネーション設備の両方を用いる。水素は、大阪ガスグループが保有する再エネ電源を用いて水電解装置によって製造する。生ごみは、ライフコーポレーションが保有する大阪市内のスーパーで排出される食品残渣を活用する。

 2024年度からは、装置を大阪・関西万博会場に移設し、再エネ由来水素と万博会場で発生する生ごみ由来のバイオガスからメタンを製造し、会場内の熱供給設備やガス厨房で使用する予定。さらに、万博期間中は、大気中のCO2をメタネーション原料として使用することで、メタン製造量を7Nm3/hまで増加せせることも検討する。

 同実証後は、メタネーション設備をスケールアップし、2030年までに、再エネ由来水素と生ごみ由来バイオガス中のCO2から合成メタンを製造するシステムを、近畿圏を中心にごみ焼却工場や食品加工工場向けに導入することを目標とする。合成メタンの製造量は、実証施設の50倍の規模となる250Nm3/hを目指す。

 再エネ由来水素を合成メタンに変換して既存の都市ガスインフラ・機器でそのまま活用できる水素サプライチェーンを構築し、都市ガスのカーボンニュートラルに貢献する。環境省の「令和4年度 既存のインフラを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築実証事業」に採択された。

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