ニュース

住宅太陽光・10軒ごとに「蓄電所」、さいたま市で実証

2022/05/09 23:45
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
実証計画の概要
実証計画の概要
(出所:Looop)
クリックすると拡大した画像が開きます
現行システムの課題
現行システムの課題
(出所:Looop)
クリックすると拡大した画像が開きます
協調分散型エネルギー管理システムの特徴
協調分散型エネルギー管理システムの特徴
(出所:Looop)
クリックすると拡大した画像が開きます

 Looop(東京都台東区)は、電気自動車(EV)充電器と蓄電池による「蓄電所(チャージボックス)」を太陽光搭載住宅・10軒程度に1カ所、設置するエネルギー管理システムを開発する。

 コミュニティ内のエネルギーの供給を、太陽光と蓄電池(EV)を使いマイクログリッド的に管理する。分散型エネルギー管理システムを構築し、協調自律型で制御する。

 同社は4月7日、同社が進めるこうした概念の技術開発計画が、環境省の実証事業に採択されたと発表した。

 実証計画では、住宅街の各戸屋根に設置した太陽光で発電した電力を、街区中央にある「蓄電所」に配備される蓄電池や「動く蓄電池」であるEVに集約し、各戸でシェアするなど、需給両面で再エネの利用率を必要量の約6割まで高めることを目指している。環境省の第1回脱炭素先行地域に選定された、さいたま市緑区浦和美園地区に導入する。

 従来型の充電ステーションや蓄電池を広域で1カ所に集約する方式では、グリッドの規模を拡張しようとすると配電路が長くなって電線径も太くなり、大型の蓄電池を配備するための大きな土地が必要、といった課題がある。分散型「蓄電所」なら、約10棟単位で設置してミニグリッドを構築することで、配線を細く短くでき、スマートシティの規模を柔軟に拡張できるようになる。また、設置のための特別なスペースが不要になることから、コスト削減にもつながるとしている。

 実証実験では、需給状況に応じて「蓄電所」で充放電することで、街区内外の需給の調整役として機能する仕組みを構築する。電力需給がひっ迫した場合は、街区内の消費を抑え、発電・蓄電した電力を街区外に供給することで需給ひっ迫の緩和を目指す。また、街区外で電力が余った場合は、街区内の蓄電池(EV)に貯めるなどして街区内外の需給バランスの調整役として機能させることも目指す。

 まずは12月ごろまで事業性調査(FS)を実施し、その結果を踏まえて開発する。単体では太陽光パネル出力40kW、蓄電池容量20kWh程度を想定し、15台程度の連携を検討する。開発には、実証事業の共同実施者であるDGキャピタルグループ(東京都文京区)の協力を得る。期間は、2024年度までの予定。

  • 記事ランキング