東北電力と仏BW Ideolは5月12日、岩手県久慈市沖における商業規模の浮体式洋上風力発電の共同事業化に向けたフィージビリティスタディ(FS=実現可能性調査)を開始したと発表した。調査期間は2022年度末まで。
両社は、BW Ideolが特許を所有する「ダンピングプール技術」という浮体技術を想定し、港湾の海象条件、浮体式設備の設計、送変電設備など事業に関する各種調査を共同で進めていく。主に机上での検証が中心になる。
「ダンピングプール技術」とは、浮体の中央をドーナツ形に空洞にすることで洋上での浮体の揺れを抑制する仕組み。同技術を用いた浮体式基礎は、小型でシンプルな形状のため施工性が良く、またスチールやコンクリートを材料にできるため、製造や設置でコスト優位性を持つという。
BW Ideolは、スコットランド北東部の1GW近いプロジェクトの開発権を落札したほか、2018年から稼働するフランスと日本の浮体式洋上風力プロジェクトで同社技術が採用された。東北電力は、風力を軸とした再エネ全般で東北6件および新潟県を中心に2GWの開発の早期実現に取り組んでいる。