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アンフィニが破産、太陽光パネル製造の支援企業見つからず

2022/05/18 00:28
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ
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アンフィニの福島工場
アンフィニの福島工場
(出所:日経BP)
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最先端の高出力パネルの生産を目指したが…
最先端の高出力パネルの生産を目指したが…
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 帝国データバンクは5月16日、太陽光関連事業などを手掛けていたアンフィニ(大阪市)が5月10日に東京地方裁判所から破産手続き開始の決定を受けたと公表した。アンフィニは、経営危機により、2021年9月30日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請していたが、太陽光パネル製造事業のスポンサー企業が見つからず、再建を断念した。
 
 アンフィニは、1995年に設立後、太陽光パネルの製造販売から太陽光発電事業、小売電気事業、PPA(電力購入契約)モデルによる売電事業など手掛けてきた。太陽光パネルは「Japan solar」、小売電気事業は「Japan 電力」のブランドで展開していた。
 
 負債総額は、破産手続きの開始が決まった時点で、債権者約150人に対し約81億円。なお、破産手続き開始前に小売電気事業は、おトクでんき(東京都豊島区)が、また、PPA事業はファラデー(大阪市中央区)が、それぞれ吸収分割により事業を承継した。また、太陽光発電設備のO&M(運営・保守)サービス事業に関しても、ジャパンホームズ(大阪府堺市堺区)が事業を承継したという。

 帝国データバンクによると、ピークとなる2017年3月期には年間の売上高は約165億9700万円を計上し、一時は上場も視野に入れていたという。2017年7月には、東日本大震災の復興関連の補助金を活用して福島県楢葉町に福島工場を建設し、年産100MW規模の太陽光パネル生産を目指して体制を整えた。補助金の条件となっていた60人を超える68人を福島県内から採用するなど、原発事故後の地域経済の活性化に貢献した。

 福島工場では、当初、「SOLAR NINJA」の製品名で、細長いセル(発電素子)を直列・並列に構成する先端的な高出力パネルを生産する計画で、住宅太陽光など、付加価値の高い製品コンセプトが生きるニッチ市場を狙っていた。しかし、この高出力パネルの生産がライセンスの問題などで生産に至らなかった。そのため製品の差別化ができず、パネルの価格競争に巻き込まれ販売が低迷した。

 こうしたなか、国内の大手太陽光パネルメーカーから、設置済みの旧モデルのリプレイス用製品のOEM生産を受注するなど、国内に工場を持つ強みを生かして生産ラインの稼働率アップに取り組んでいた。

 一方、「Japan 電力」のブランドで展開してた小売電気事業は堅調に伸びて収益性も高かったが、2020年12月以降の電力市場高騰により電力調達コスト負担が増加したこともあり、赤字に陥っていた。

 帝国データバンクによると2021年9月30日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請した後、2022年2月にはPPA事業と小売電気事業をスポンサー企業へ承継し、福島工場における太陽光パネル製造事業についてもスポンサーを募っていたが、再生計画の策定に必要な弁済原資を確保できるだけのスポンサーを選定できず、再建計画策定には至らないとの判断から、4月13日付で東京地裁から再生手続き廃止決定を受けていた。

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