東北バイオフードリサイクル(仙台市)は、仙台市で食品残渣によるバイオガス発電プラントの本格稼働を開始した。2月から段階的に稼働しており、5月18日に本格的な発電事業の開始に伴い発電式を開催した。
JR仙台駅を中心とした駅ビル・エキナカおよび仙台市内・宮城県内・近県の事業者が排出する食品廃棄物を微生物で嫌気発酵させ、発生するメタンガスを燃料にガスエンジで発電する。建設地は東日本大震災で大きな被害のあった蒲生北部地区で、周辺環境に配慮した運営に努めるという。
発電設備の定格出力は780kW、年間発電量は一般家庭約1500世帯分に相当する約6500MWhの見込み。また、年間CO2削減効果は約3000tになる。燃料となる食品廃棄物は日量40t。EPC(設計・調達・施工)サービスは、JFEエンジニアリング(東京都千代田区)が担当した。
発電した電力は、固定価格買取制度(FIT)を活用してJFEエンジニアリングの子会社であるアーバンエナジー(横浜市)に特定卸供給する。売電単価は39円/kWh。また、処理過程で生じた発酵残渣の肥料化・近隣農地などでの利用を目指す。
事業主体の東北バイオフードリサイクルは、JFEエンジニアリングの子会社であるJ&T環境(川崎市)が45%、東日本旅客鉄道(JR東日本)が29%、東京ガスが21%、JR東日本グループの東北鉄道運輸(仙台市)が5%を出資し、2019年11月に設立した。