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森永乳業が畜ふん尿処理システム、バイオガス発電を併設

2022/05/25 20:36
工藤宗介=技術ライター
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「MO-ラグーン for Dairy」の処理工程
「MO-ラグーン for Dairy」の処理工程
(出所:森永乳業)
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那須岳麓農場
那須岳麓農場
(出所:森永乳業)
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独自の浄化システム「MO-ラグーン」
独自の浄化システム「MO-ラグーン」
(出所:森永乳業)
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 森永乳業は、バイオガス発電設備と排水処理設備を組み合わせた酪農・畜産ふん尿処理システム「MO-ラグーン for Dairy」を、「那須岳麓農場」に実証施設として導入する。5月10日に発表した。同農場は、子会社の森永酪農販売(東京都港区)が運営している。

 ふん尿をバイオマス発酵槽に投入以降、すべての工程を自動化することで、人手不足対策のほかメタンが発生するふん尿の堆積期間を削減できる。回収したメタンをすべてバイオ燃料として利用することで、ふん尿処理由来のメタン排出量の削減を目指す。牧場全体から大気へ放出されるメタンの最大30%削減を目指す。

 メタン発酵後の消化液は、固液分離高温発酵装置により液体と固体に分離する。固形分は短期間でたい肥化でき、牛舎の床材として有効活用する。液体は必要な分だけたい肥として圃場に還元し、残りは独自の浄化システム「MO-ラグーン」を通して窒素を除去した浄化水として放流し、土壌や水質の汚濁を防ぐ仕組み。

 ガス発電設備の定格出力は100kW、年間発電量は約70万kWhを見込む。発酵槽の容量は1100m3、ふん尿投入量は日量20tを想定する。なお、ふん尿10tあたりの発電量は40kWh、たい肥量は2t、浄化水の放流量は10t(固液分離過程で水を追加)になる見込み。2023年春に稼働する予定で、効果検証を踏まえて将来的には全国の酪農家への販売を検討する。

 MO-ラグーンは、自然界の浄化作用に近い、微生物の力を用いてゆっくりと分解処理を行う。維持管理が容易かつ余剰汚泥の発生が少なく環境負荷が低いのが特徴という。1969年に開発した。1972年以降は外販も開始し、自社工場のほか食品メーカーを中心に約300社で採用されている。

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