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「環境白書」を公表、「エネルギー安全保障で再エネがさらに重要に」

2022/06/08 18:11
工藤宗介=技術ライター
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2050年カーボンニュートラルに向けた政策日程
2050年カーボンニュートラルに向けた政策日程
(出所:環境省)
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 環境省は6月7日、同日閣議決定された令和4年度「環境白書」を公表した。脱炭素の視点では、2050年カーボンニュートラル宣言・2030年度温室効果ガス削減目標(2013年度比46%削減と50%の高みに向けた挑戦)達成に向けて施策の加速化が始まっており、「昨今の世界情勢やエネルギー安全保障の観点からも国産エネルギーである再生可能エネルギーの重要性はさらに高まる」としている。

 再エネの普及拡大として、地域の再エネ主力化と、再エネ主力電源化と移動の脱炭素化(EVなどの電動車)の同時達成を目指す。浮体式洋上風力の活用や風力発電に係る適性な環境影響評価制度の在り方の検討、自然と調和した地域共生型の地熱開発に向けた取り組み、バイオマスの積極的な導入などを推進する。

 新たに計画される石炭火力発電の輸出支援の厳格化、ゼロエミッション火力やCCUS(CO2回収・利用・固定)など革新的技術の開発・実証に取り組む。グリーン成長戦略に基づき企業の技術開発から実証・社会実装などを支援し、イノベーションの喚起と普及を目指す。環境関連ベンチャーや事業化を支援する。

 二国間クレジット事業(JCM)を通じた環境インフラの海外展開を一層強力に促進するため、「COP26後の6条実施方針」に基づき、JCMパートナー国の拡大などに取り組む。また、国際的な都市間連携などを推進し、脱炭素に貢献するインフラ整備などをアジア各国とともに主導する「アジア・ゼロエミッション共同体」構想にも貢献する。

 また、地域の魅力と質を向上させる地方創生に資する地域脱炭素を推進するため、2021年6月に地域脱炭素ロードマップを策定した。2030年度までに、少なくとも100カ所の脱炭素先行地域を創出するとともに、全国で屋根置き太陽光などの脱炭素の基盤となる重点対策を加速化する。地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を設け、脱炭素事業に意欲的に取り組む地方公共団体を支援する。

 地球温暖化対推進法の改正案を第208回国会に提出し、脱炭素化に資する事業に対する資金供給などの支援を強化することで、民間投資を一層、誘発するとともに国による地方公共団体への財政上の措置に関する規定を法的に位置付ける。なお、環境省は、環境政策に係る全国行脚を実施し、都道府県知事や市町村長などとニーズや課題について意見交換した。

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