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「電力永続地帯」が272自治体に増加、再エネ電力の66%は太陽光

2022/06/09 18:00
工藤宗介=技術ライター
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エネルギー永続地帯と電力永続地帯の推移
エネルギー永続地帯と電力永続地帯の推移
(出所:千葉大学)
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再エネ供給の推移
再エネ供給の推移
(出所:千葉大学)
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 千葉大学と環境エネルギー政策研究所(ISEP)は6月7日、全国の再生可能エネルギーの供給実態などを調査した「永続地帯2021年度版報告書」を公表した。エネルギー自給率が100%を超える自治体が全国市町村の約1割に到達した。

 「永続地帯(sustainable zone)」は、その区域で得られる再生可能エネルギーと食料によって、区域内のエネルギー需要と食料需要のすべてを賄える区域のこと。同報告書は、2021年3月末時点で稼働している再エネ設備が年間に渡って稼働した場合のエネルギー供給量を2020年度分として推計した。

 域内の民生・農林水産用エネルギー需要を上回る地域的な再エネを生み出している自治体「エネルギー永続地帯」は174自治体に拡大し、全国1741市町村(東京23区を含む)の約1割に達した。域内の民生・農林水産用電力需要を上回る量の再エネ電力を生み出している「電力永続地帯」は272自治体に拡大した。

 エネルギー永続地帯のうち、さらにカロリーベースの食料自給率も100%を超える「永続地帯市町村」は90自治体になった。永続地帯市町村数は、2016年度に44自治体、2017年度に58自治体、2018年度に70自治体、2019年度に80自治体と年々増加している。

 また、2020年度の再エネ電力の対前年度比伸び率は7.6%だった。それぞれの伸び率は、太陽光発電が10.0%、風力発電が8.4%、地熱発電が2.3%、小水力発電(1万kW以下)が1.2%、バイオマス発電が2.1%。再エネ電力の構成比は、太陽光が66.5%と群を抜き、以下、小水力12.3%、バイオマス11.1%、風力8.1%、地熱2.0%となっている。

 一方、固定価格買取制度(FIT)の対象外である再エネ熱供給は3.4%減となり、3年連続で減少した。

 日本全体での地域的再エネルギー自給率は17.3%となった。地域的エネルギー自給率の都道府県別ランキングは、秋田県が51.3%と前年度に続いて1位となった。続いて2位の大分県が50.0%となり、3位以下17県が30%を超えた。一方、10%未満は、埼玉県の8.5%、沖縄県の7.2%、京都府の6.6%、神奈川県の5.5%、大阪府の5.2%、東京都の2.1%だった。

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