ニュース

再エネアグリ実証、エナリスなど5事業が採択、FIPやCPPAに応用

2022/06/14 20:31
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
エナリスの需給一体調整のイメージ
エナリスの需給一体調整のイメージ
(出所:エナリス)
クリックすると拡大した画像が開きます
東芝ESSの再エネアグリゲーション事業で想定するビジネスモデル
東芝ESSの再エネアグリゲーション事業で想定するビジネスモデル
(出所:東芝ESS)
クリックすると拡大した画像が開きます

 一般社団法人・環境共創イニシアチブ(SII)は6月1日、経済産業省が2022年度に実施する再生可能エネルギーアグリゲーション実証事業の採択結果を公表した。エナリスや東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS)、SBエナジーなどを代表とする5つの事業(コンソーシアム)が選ばれた。

 再エネアグリゲーション実証事業は、発電計画の作成やインバランス回避に必要となる再エネと蓄電池など分散型エネルギーリソース(DER)を組み合わせた制御技術や、再エネ発電量・卸売市場価格の予測技術などの実証を行うことで、太陽光など変動性再エネの有効活用を目的としたもの。オフサイト型コーポレートPPA(CPPA=企業による電力購入契約)モデルやフィード・イン・プレミアム(FIP)の活用にも応用できる。2022年度は、5つの事業を採択した。

 エナリスを代表とするコンソーシアムでは、再エネアグリゲーション技術の向上と事業性の評価に取り組む。昨年度の実証では、発電量インバランスに効果的なバランシンググループ(BG)組成ロジックを開発し、オフサイト型PPAモデルやFIP活用支援など4月から提供を開始した実サービスに応用している。今年度は、再エネ発電に関する通年データを活用した発電予測タイミング、BG組成、蓄電池の最適な運用方法について検討するほか、インバランスのコストやリスクを算出して収益性を評価する。

 また、エナリスでは、発電側の再エネアグリゲーションと、既にサービス提供している需要側のDERアグリゲーションを連携して需給バランスを取る「需給一体調整」を目指している。今年度は実サービス化に必要なシステム連携の確立と需給一体調整実現のための課題・懸念事項の整理などを独自実証として実施する。

 再エネアグリゲーターは、エナリス、東邦ガス、三菱HCキャピタルエナジー、自然電力の4社。実証協力者は、戸田建設、JREオペレーションズ、レノバ、会津電力、電源開発(Jパワー)、東急不動産、シェルジャパン、ハンファQセルズジャパン、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)、SMFLみらいパートナーズ、損害保険ジャパン、SOMPOリスクマネジメントの12社。

 また、東芝ESSを代表とするコンソーシアムでは、再エネアグリゲーターの事業にとって重要となるインバランス回避と収益性向上を目的に、発電量予測技術、蓄電池制御技術、市場取引戦略技術などを評価する。

 昨年度の実証では、発電リソースを束ねることで発電インバランスの低減などさまざまな成果が得られ、その一方で風力発電量や積雪時の太陽光発電量の予測技術に関しては課題も発見した。今年度は、太陽光や風力など200以上の発電リソースを用いて、発電量予測の実行頻度の増加、複数の気象モデルの利用、蓄電池の運転計画を更新する頻度の増加などの方法で評価し、更なる精度の向上を目指す。

 再エネアグリゲーターは、アーバンエナジー、ENEOS、関西電力、関電工、九州電力、コスモエコパワー、ジャパン・リニューアブル・エナジー、中国電力、東京電力エナジーパートナー、日本工営、NEC、北海道電力、ユーラスグリーンエナジー、東芝ESSの14社。実証協力者は、出光興産、エネルギア・ソリューション・アンド・サービス、関電エネルギーソリューション、東急不動産、豊田通商、日本気象協会、First・Solar・Japan合同会社、三井住友海上火災保険、東芝ネクストクラフトベルケの9社。

 このほかにも、SBエナジーを代表とするコンソーシアム(再エネアグリゲーター7社、実証協力者16社)、中部電力ミライズを代表とするコンソーシアム(再エネアグリゲーター2社、実証協力者12社)、日本エネルギー総合システムを代表とするコンソーシアム(再エネアグリゲーター2社、実証協力者5社)が採択された。

  • 記事ランキング