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初のFIP入札、募集枠に達せず低調に、落札平均は9.87円に

2022/06/20 21:24
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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落札のイメージ
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(出所:電力広域的運営推進機関)
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 電力広域的運営推進機関は6月17日、太陽光発電(250kW以上の高圧・特別高圧連系案件)を対象にした、再生可能エネルギー利用に関する特別措置法に基づく第12回入札(2022年度第1回)の結果を公表した。今回から1MW以上はフィード・イン・プレミアム(FIP)、250kW以上1MW未満は固定価格買取制度(FIT)対象となる。

 今回の入札は事前に上限価格を公表し、前回の10.25円/kWhから0.25円下げ、10.00円/kWhと設定していた。また、募集容量はFIP対象区分が175MW、FIT対象区分が50MWの合計225MWとし、前回の278.5946MWよりも、53.5946MW減らした。落札した案件は、FIP対象では5件・合計128.94MW、FIT対象では39件・合計24.7647といずれも募集容量に達しなかった。

 落札価格の加重平均は、FIP対象が9.87円/kWh、FIT対象が9.93円/kWhとなり、前回の9.99円/kWhからFIP対象は0.12円、FIT対象は0.06円下がったものの、上限価格の低下幅である0.25円を下回った。募集枠に満たず、入札件数と落札件数が同数になったことから、競争入札の効果が働かず、上限価格の低下に押し下げられた形となった。

 ただ、入札参加資格の審査のために提出された事業計画の合計出力は、FIP対象で181.0111MW、FIT対象で34.1211MW、そのうち入札に参加できることを通知した案件は、FIP対象で12件・179.0211MW、FIT対象で52件・32.8612MWとなり、1MW以上のFIP対象区分については、募集枠の175MWを超える案件開発があった。

 卸電力市場の相場が高止まりし、FIPの基準価格を上回る局面が多く、プレミアムのほとんど付かない市場環境が続くなどFIPの事業収支が見通しにくい一方、コーポレートPPA(電力購入契約)による長期固定での売電スキームを志向する事業者も多いと見られることも、FIP入札が低調になった背景にありそうだ。

 また、250kW以上1MW未満の出力区分については、FIPを選択した場合、入札外で10円/kWhの基準価格を適用される。同出力区分でFIT入札の募集枠に満たなかったのは、こうした制度設計が影響した可能性もある。

 今回、落札された最大規模の案件は、パシフィコ・エナジー徳山合同会社(代表者・松尾大樹)による76.8MWのメガソーラーになる。落札価格は9.86円/kWh。この落札案件は、山口県周南市内のゴルフ場跡地をメガソーラーに開発すると報道されていたプロジェクトと思われ、パシフィコ・エナジーにとっては、入札制度を利用した3件目の案件になる。これまでの2件もゴルフ場跡地を利用した案件でFITの買取価格は15円台になる。周南市の案件が実現すれば、特別高圧送電線に連系する大規模太陽光が10円を下回る売電価格で事業化される国内初のケースになると見られる。

 2022年度の入札は、2021年度と同様、4回実施し、上限価格を事前に公表する。上限価格の決め方は、2021年度と同様、当年度と次年度の固定価格との間を刻んでいく方式とした。このため、2023年度・入札外の固定価格が9.5円/kWhとなったのに伴い、2022年度の入札における上限価格は、今回1回目の10.00円/kWh以降、2回目・9.88円/kWh、3回目・9.75円/kWh、4回目・9.63円/kWhと公表されている。

 次の第13回入札(2022年度第2回)の上限価格は9.88円/kWhとなり、募集容量は、今回と同様、FIP対象が175MW、FIT対象が50MWの合計225MWとなる。

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