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再エネ電気でアンモニアを直接合成、IHIなど開発へ

2022/06/29 11:19
工藤宗介=技術ライター
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アンモニア電解合成のコンセプト
アンモニア電解合成のコンセプト
(出所:IHI)
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体制図
体制図
(出所:IHI)
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 IHIは、北海道大学、福岡大学、東京大学、金属電極専門メーカーであるデノラ・ペルメレック(神奈川県藤沢市)とともに、水と窒素からCO2フリーのアンモニアを直接合成する技術開発を開始した。5月16日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の公募事業「NEDO先導研究プログラム/新技術先導研究プログラム」の「エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」に採択されたと発表した。

 アンモニア(NH3)は従来、化石資源を利用して生成した水素(H2)を窒素(N2)と反応させるハーバー・ボッシュ法により製造されてきた。最近では、再生可能エネルギー由来電力を利用し、水の電気分解で生成した水素を利用する製造法の開発が進められている。一方、従来技術では水素製造過程におけるCO2の発生が課題となっている。また、水の電気分解を利用した技術では、コスト高・エネルギー効率に加えて、再エネ電力における発電量の変動が課題となっている。

 同事業では、再エネの変動に対応しつつ低コストで効率的なアンモニア製造の実現に向けて、水の電気分解による水素製造とアンモニア合成をひとつのプロセスで実現するアンモニア電解合成装置を研究開発する。IHIは、電解槽・システムの研究を行う。アンモニア電解合成の運転条件や性能をもとに、アンモニア合成を行う際の機器構成やプロセス全体におけるアンモニア合成を検討し、プロセス側から見た電解装置の性能の仕様を検討する。

 また、北海道大学は窒素直接電解還元型アンモニア合成セルの開発、福岡大学は水素分離膜型アンモニア電解セルの開発、東京大学は電極触媒の開発、デノラ・ペルメレックは電極触媒調整法と評価方法の研究を担当する。先導研究プログラムの実施期間は2022年度から2023年度までの2年間の予定。その後、国家プロジェクト化などへの道筋をつけ、2040年以降の社会実装を目指す。

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