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広島のバイオマス発電所でCO2回収、「カーボンネガティブ」実現へ

2022/07/02 14:33
工藤宗介=技術ライター
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西風新都バイオマス発電所
西風新都バイオマス発電所
(出所:太平電業)
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同発電所に設置した小型CO2回収装置
同発電所に設置した小型CO2回収装置
(出所:太平電業)
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 三菱重工グループの三菱重工エンジニアリング(MHIENG、横浜市)は6月30日、太平電業から小型CO2回収装置を受注し、広島市の複合機能都市「ひろしま西風新都」にあるバイオマス発電所に設置して本格的に稼働したと発表した。同発電所が排出するCO2をほぼ全て回収でき、大気中のCO2を減らす「カーボンネガティブ」を実現する。

 CO2回収装置を導入したのは「西風新都バイオマス発電所」で、CO2回収能力は0.3t/日。設置面積は全長5m×全幅2mと、コンパクトで汎用性の高い標準設計をベースとしたモジュール化を実現したという。製造工場からトラックで輸送し、短期間かつ容易に設置できる。回収されたCO2は、発電所構内の農業ハウスでトマト・イチゴ・レモンの栽培に利活用される。

 今回設置したCO2回収装置は商用初号機になる。MHIENGは、独自の遠隔監視システムを活用した運転支援サービスを実証する予定で、アフターサービス、運用・保守までのワンストップによるサポート体制を確立する。また今後、小型CO2回収装置のラインアップを拡充し、産業分野など比較的小規模な施設を中心に幅広く対応していく。

 同発電所は、太平電業が建設・運営する木質バイオマス発電所で、2019年10月に稼働した。出力7.1MWで、年間発電量は一般家庭約1万6000世帯分に相当する約4万9000MWhを見込む。燃料は地域の未利用材を主原料とする木質チップを年間8万5000t使用する。発電設備は三菱重工パワーインダストリー製。

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