ニュース

世界再エネ投資、5.8%増で過去最高、太陽光が半分

2022/07/05 21:54
工藤宗介=技術ライター
印刷用ページ
IEAがクリーンエネルギー関連の投資を分析
IEAがクリーンエネルギー関連の投資を分析
(出所:IEA)
クリックすると拡大した画像が開きます

 国際エネルギー機関(IEA)は6月22日、調査報告書「World Energy Investment(世界エネルギー投資) 2022」を発表した。これまで横ばいで推移してきた世界のクリーンエネルギー投資が活発化しており、2022年には1兆4000億米ドルを超え、エネルギー投資全体の伸びの約4分の3を占めると予想する。

 2015年のパリ協定署名後から5年間のクリーンエネルギー投資の年平均成長率は2%強にとどまっていた。2020年以降は12%に上昇している。国際的な気候変動目標の達成に必要な水準には大きく及ばないものの、正しい方向への重要な一歩を踏み出したとしている。

 クリーンエネルギー投資の内訳は、再生可能エネルギーが4720億ドル、エネルギー効率化が4700億ドル、送電網および蓄電池が3370億ドル、電気自動車が930億ドルなど。再エネは過去最高値を更新したが、対前年比の伸び率は5.8%と、過去5年間で最も低かった。

 再エネ新規投資の内訳は、太陽光発電が約半分を占め、さらにその支出は電力事業規模のプロジェクトと分散型太陽光発電システムで等しく分けられる。また、風力発電は、陸上から洋上へ焦点が移ってきており、2021年は洋上プロジェクトで20GW以上の試運転と約400億ドルの支出が行われた。

 また、クリーンネネルギー投資水準が最も高かった国・地域は中国の3800億ドル、次いで欧州連合の2600億ドル、米国の2150億ドルだった。その一方、新興国や途上国の投資シェアは5分の1と、2015年の水準に留まる。にも関わらず、世界人口は3分の2を占めることから、このギャップを埋めるために、譲許的資本、民間資本、国際炭素市場からの流入を含む追加的な資金・技術支援が重要という。

 投資額の増加の背景には、サプライチェーンの逼迫も大きく影響している。投資額全体の増加の約半分は、人件費やサービス、セメント、鉄鋼、重要な鉱物などの原材料のコスト上昇を反映したものになる。このような状況から、一部のエネルギー企業は、より迅速な投資拡大を躊躇していると指摘している。

  • 記事ランキング