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風力発電に太陽光を併設、1つの連系枠を有効活用

2022/07/09 12:10
金子憲治=日経BP総合研究所 クリーンテックラボ、工藤宗介=技術ライター
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秋田天秤野ハイブリッド太陽光発電所
秋田天秤野ハイブリッド太陽光発電所
(出所:三菱HCキャピタル)
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 三菱HCキャピタルのグループ会社であるHWP(旧・日立ウィンドパワー、東京都港区)は、既存の風力発電設備に太陽光発電設備を併設し、同じ系統連系枠で接続し、7月1日に運転を開始した。

 2015年から秋田市に稼働している、出力1990kWの「秋田天秤野風力発電所」に併設し、出力1123.2kWの「秋田天秤野ハイブリッド太陽光発電所」を建設した。両発電所からの出力を合成して1つの連系点から送電する。太陽光パネルは韓国ハンファQセルズ製を採用し、EPC(設計・調達・施工)サービスは大和ハウス工業が担当した。

 風力発電設備の出力が、連系枠の容量である2MWを下回る場合、空き容量の範囲で太陽光発電の電力を送電する。出力の伸びる時間や時期が異なる風力と太陽光を組み合わせることで1つの連系枠容量を有効に活用できる。三菱HCキャピタルでは、こうした手法を「ハイブリッド型発電所」と呼んでいる。

 秋田天秤野風力発電所は、日立製作所製の風車(出力1990kW)を1基設置し、2015年9月に竣工・運転を開始した。事業主体のHWPは、日立ウィンドパワーとして2014年1月に設立し、2021年7月に社名変更した。三菱HCキャピタルが85.1%、日立製作所が14.9%を出資する。

 1つの連系枠を太陽光と風力で利用する仕組みの先行例には、東光電気工事が福島県飯舘村で運営している「いいたてまでいな再エネ・クロス発電所」があり、同発電所は連系出力10MWの既存メガソーラーに6.4MWの風力発電設備を併設し、1つの連系枠で売電している。東光電気工事ではこうした手法を「再エネ・クロス発電」と呼んでいる。

 太陽光と風力を個別に連系して運用した場合、設備利用率は平均的に太陽光で約15%、風力で約25%となるが、合成出力として1つの連系枠内で運用した場合、連系設備の利用率が高まる。飯舘村サイトの運用ケースでは、連系設備の設備利用率は、約30%まで高まっている(関連記事:動き出した「再エネ・クロス発電所」、設備利用率30%も)。

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