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「ナノ水力」を実用化へ、協和コンサルタンツなど

2022/07/12 21:26
工藤宗介=技術ライター
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農業用水路落差工を利用するナノ水力発電装置
農業用水路落差工を利用するナノ水力発電装置
(出所:協和コンサルタンツ)
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農業用パイプライン給水栓を利用するナノ水力発電装置のシステム図
農業用パイプライン給水栓を利用するナノ水力発電装置のシステム図
(出所:協和コンサルタンツ)
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 協和コンサルタンツ、東プレ、リコーの3社は、農業用の水利施設を利用した小出力の発電装置「ナノ水力発電装置」の研究開発を開始した。全国の農村地域での導入を促進するとともに、農山漁村エネルギー管理システム(VEMS)の早期実現を目指す。6月22日に発表した。

 農林水産省「官民連携新技術開発事業」において取り組む。3者は、事業申請にあたり、2021年9月にナノ水力発電開発組合を設立。その後、審査や手続きなどを経て事業を開始した。また、試験研究機関として農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)と共同契約を締結した。事業年度は2021年度~2023年度。

 同事業では、これまで低出力のため未利用だった農業用水路落差工(落差1.0m)や農業用パイプライン給水栓(直径150mm以下)で発電できるナノ水力発電装置を開発する。全国の農村地域において広く地域住民や農家が自ら水力発電を行うことが可能になる。

 ナノ水力発電装置の仕様は、農業用水路落差工を利用する装置が流量0.15m3/s、落差1.0mで出力500W。農業用パイプライン給水栓を利用する装置が流量20L/sで最大出力1kW、流量18.5L/sで定格出力800W、流量15L/sで最低出力400W。

 加えて、これまで各社が独自開発していたナノ水力発電装置の電力制御を共通化する制御装置を開発する。農村地域での6次産業化や農業生産(農業用ビニールハウス、防霜ファンなど)、獣害電気柵、スマート農業機器の電源に利用できるようになる。

 協和コンサルタンツが農業用水路落差工を利用したナノ水力発電装置、東プレが農業用パイプライン給水栓を利用したナノ水力発電装置、リコーが共通電力制御装置の開発を担当する。秋ごろに九州、北陸、関東で実証実験を行う予定。

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