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モーリシャスで海洋温度差発電、商船三井など調査

2022/07/20 21:48
工藤宗介=技術ライター
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沖縄県久米島の100kW級OTEC実証設備
沖縄県久米島の100kW級OTEC実証設備
(出所:沖縄県)
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 商船三井は、ゼネシス(東京都江東区)、佐賀大学と共同で、モーリシャスにおける海洋温度差発電(OTEC)を核とした海洋深層水複合利用に関する実証要件適合性等調査に取り組んでいる。7月14日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2021年度「エネルギー消費の効率化等に資する我が国技術の国際実証事業(実証要件適合性等調査)」に採択されたと発表した。

 OTECは、水深600m以深の海域から海洋深層水を組み上げ、表層水との温度差を利用して発電する仕組み。気象に左右されないため安定的に発電量を予測できる。さらに、発電後の海洋深層水も十分低温で、水質も変化しないため、水産や農業、空調など、さまざまな分野で二次利用できる。

 気象条件に左右されず24時間安定的な発電可能なOTECは、インド洋に位置する島嶼国であるモーリシャスの地の利を十分活用できると期待される。また、海洋深層水の各産業への二次利用を通じて、OTEC実用化に伴う産業振興が見込めることから、同事業を提案した。調査期間は2023年3月末まで。

 これまで国内やハワイ、韓国、ナウル共和国などでOTECの研究が進められているが、まだ商用化には至っていない。商船三井は、4月からゼネシスが維持・管理する沖縄県久米島での100kW級OTEC実証設備の運営に参画。これまで海洋事業を通じて培った知見やノウハウ、サプライチェーンのネットワークを活用し、久米島OTEC実証設備の運営、モーリシャスの実証要件適合性等調査を通じて、国内外でOETCを早期に事業化することを目指す。

 モーリシャスでは、2030年までに再エネ割合を60%まで引き上げるロードマップを策定している。商船三井は、同社がチャーターしていたばら積み貨物船が2020年7月にモーリシャス沖で座礁した事故を踏まえ、それ以降、現地の自然環境保護・回復プロジェクトや社会貢献活動に取り組んでいる。

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