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カートリッジ式の商用EVを実用化へ、太陽光発電ピークに充電も

2022/08/01 23:14
工藤宗介=技術ライター
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カートリッジ式バッテリーのイメージ
カートリッジ式バッテリーのイメージ
(出所:ヤマト運輸とCommercial Japan Partnership Technologiesの共同リリース)
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 ヤマト運輸(東京都中央区)とコマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ(Commercial Japan Partnership Technologies=CJPT、東京都文京区)は7月27日、商用電気自動車(EV)におけるカートリッジ式バッテリー(蓄電池)の規格化・実用化に向けた検討を開始すると発表した。

 蓄電池だけで走行するEVの導入には、従来のガソリン車・ディーゼル車と比べて長い充電時間を要すること、充電タイミングの集中による物流のダウンタイム(車両や荷物が止まる時間)が増加するなどの課題がある。また、充電タイミングが車両の非稼働時間帯に集中することによる施設の電力ピークの増加など、社会全般の負担が増大すると想定される。

 両社は、こうした課題の解決に向けて、着脱・可搬型のカートリッジ式バッテリーの実用化に向けて検討する。カートリッジ式バッテリーの利点は、(1)搭載電池を走行距離に必要十分な容量に絞り電池総量を削減できる。(2)充電インフラ装置に関する負担を軽減できる。(3)電池交換により車両への充電時間を削減できる。(4)車両稼働中に交換用電池を充電することで、太陽光の発電ピークに合わせてバッテリー充電が可能になる、といった点が挙げられる。

 ヤマト運輸は、2050年温室効果ガス排出実質ゼロおよび2030年48%削減(2020年度比)の実現に向けた取り組みの一環として、2030年までにEV2万台の導入目標を掲げている。カートリッジ式バッテリーの導入により、地域社会と新たな電力スキームを構築し、輸配送パートナーを含むグリーンデリバリー(環境に配慮した配送)を目指す。災害時や電力インフラの維持が難しい地域にカートリッジ式バッテリーを配送するなど、地域社会への貢献についても検討する。

 CJPTは、カートリッジ式バッテリーを搭載可能な商用EVの企画を進めていく。商用軽バンから小型トラックまで、カートリッジ式バッテリーや充電システムを共通化することで商用EVのコスト低減や普及を促進し、エネルギー管理システムのひとつとして、利用実態に合った使い方を提案する。

 同社は、商用車・軽自動車の脱炭素に向けて、2021年4月にトヨタ自動車、いすゞ自動車、日野自動車が立ち上げた新会社で、同年7月にはスズキ、ダイハツ工業も参画した。出資比率は、トヨタが60%、いすゞ、日野、スズキ、ダイハツが各10%。

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