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法令違反は「FIT・FIP交付保留」「変更認定不可」、有識者会議が提言

林地開発許可の対象規模、太陽光は0.5haに引き下げへ

2022/08/02 17:51
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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経産省・情報提供フォームへの相談内容
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(出所;経産省)
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 「再生可能エネルギー発電設備の適正な導入及び管理のあり方に関する検討会」は、7月28日、会合を開き、これまでの討議を踏まえた提言案を公表した。同検討会は、再エネ導入拡大に伴い安全面や防災面、景観・環境面などで地域の懸念が高まっているとの問題意識から、4省庁(経済産業省、環境省、農林水産省、国土交通省)合同による有識者会議で対応を協議した。

 提言案は、(1)土地開発前、(2)土地開発後から運転開始後・運転中、(3)廃止・廃棄の各段階、(4)横断的事項――の4つに分けて今後の法改正や制度的措置の方向性を整理した。主な提言内容は以下になる。

 (1)の土地開発前の項目では、急傾斜地や森林伐採を伴う太陽光発電設備の設置に関し、災害発生を懸念する声が高まっていることを受け、森林法や盛土規制法など法規制対象になっているエリアの案件では、許認可取得を再エネ特措法の申請要件とする手続きを厳格に運用することなどを検討するとした。

 また、同検討会と並行し、農林省は、太陽光を対象にした林地許可制度に関する検討会を開催し、6月に取りまとめを公表した。そのなかで、太陽光発電に関する林地開発については、規制規模を、現行の「1ha超」から「0.5ha超」に引き下げる案が盛り込まれた。また、排水施設の断面の設計雨量強度は、現行の「10年確率」から「10年確率以上」に、洪水調節池の設計雨量強度は、現行の「30年確率」から「地域の状況に応じて50年確率にできる」に変更する方向で整理されている。

 (2)の運転開始後の項目では、法令違反状況の早期解消を促すため、関係法令の違反状態での売電収入(固定価格買取制度=FIT、フィード・イン・プレミアム=FIPの交付金)の交付留保などの再エネ特措法における新たな仕組みなどを検討するとした。

 (3)の廃棄・廃止の項目では、2030年代半ば以降の使用済み太陽光パネルの大量廃棄を見据え、リサイクルを促進・円滑化するための支援策や制度的対応などを検討するとした。

 (4)の横断的事項では、地域との合意形成に向けた適切なコミュニケーションが不足しているとの懸念から、再エネ特措法の認定にあたり、説明会の開催など地域へ事前周知の義務化を検討し、これは、転売する際の変更申請の場合も同様に適用するとした。加えて、関係法令などに違反している場合は再エネ特措法上の転売の変更申請は認定不可とするなどの制度的措置を検討するとした。

 また、事故発生状況を踏まえ、小規模再エネ設備に対する柵塀・標識設置義務化を検討するとともに、工事計画の届出時に関係法令遵守状況を確認するなど電気事業法などの制度的措置を検討するなどとした。

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