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大潟村、メガソーラーや蓄電池などで村を脱炭素化

官民共同で地域エネルギー会社「オーリス」設立

2022/08/06 22:35
工藤宗介=技術ライター
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再エネ100%に挑戦する
再エネ100%に挑戦する
(出所:大潟村脱炭素型地域づくりモデル形成事業検討報告書・概要版)
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再エネ100%に必要なエネルギー技術のイメージ
再エネ100%に必要なエネルギー技術のイメージ
(出所:大潟村脱炭素型地域づくりモデル形成事業検討報告書・概要版)
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 秋田県大潟村は「自然エネルギー100%の村づくりへの挑戦!」を掲げ、村の集落地の半分をカバーする村中心エリアにおいてメガソーラー(大規模太陽光発電所)や分散型太陽光発電設備、蓄電池などを活用した脱炭素を進めている。7月15日、同事業を推進する官民共同出資による地域エネルギー会社「オーリス」を設立した。

 また、秋田銀行は8月4日、ESG投資の一環として、オーリスに出資したと発表した。8月5日時点でのオーリスの資本金は4200万円、出資企業・団体は18者になる。今後もさらに出資企業を増やしていく予定。

 同村が推進する「大潟村:自然エネルギー100%の村づくりへの挑戦!~第1章電気編~」では、公共施設12件、ホテルなどその他商業施設2件、秋田県立大学キャンパスおよび学生寮、村営住宅54棟、一般住宅100世帯を対象に、村全体の民生分の電力消費量の約60%を再生可能エネルギーで賄う。環境省の「第1回脱炭素先行地域」に選定された。

 公共施設、商業施設、村営住宅、一般住宅の屋根に合計4.254MWの太陽光発電設備を新設する。避難所に指定されている施設には、蓄電池も設置し停電時も非常用電源として活用する。地域内の民生電力需要の7割を占める「ホテルサンルーラ大潟・ポルダー潟の湯」は、太陽光発電設備と蓄電池とともに、出力1.6MWのメガソーラーを新設し、自営線を敷設して自家消費可能にする。

 さらに、既存メガソーラー南側の村有地を活用して8MW程度のメガソーラーを新設し、村全体の民生部門の電力消費を賄う。併設する大型系統蓄電池に昼間の時間帯は充電し、夕方以降に放電することで周囲の送電線を通じて地域に電力供給することを計画する。

 このほかにも、地域課題となっている未利用もみ殻を原料にしたバイオマス熱供給事業、公用車のEVへの転換を順次、推進する。将来的には、農業部門で利用される軽トラック、トラクター、フォークリフトの電動化などを検討する。事業スケジュールは、2022年度~2026年度を予定する。

 なお、横浜市と大潟村は8月3日、再エネに関する連携協定を締結したと発表した。協定では「地域循環共生圏」の理念に基づき、大潟村で創出した再エネの余剰分を横浜市に供給する。横浜市は、大潟村と同じく脱炭素先行地域に選定されており、脱炭素先行地域間での連携は全国初。

 横浜市の再エネ創出ポテンシャルは2050年の市内電力消費量の約10%と試算され、再エネ転換には広域連携による市域外からの調達が不可欠になる。横浜市が再エネ連携協定を結んだ自治体は、大潟村で15市町村目になる。

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