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水上太陽光発電 とは

すいじょうたいようこうはつでん

2020/02/27 16:28
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 太陽光パネルを並べる場所として、地面や建物の屋根の上ではなく、池の水面を活用する手法を、水上太陽光発電と呼ぶ。農業用のため池を活用することが多い。

 地面の上に太陽光パネルを並べる場合に必要な土地購入費や借地代に比べ、水面を借りるコストの方が安いことや、造成や整地に要するコストが不要という利点がある。

 ただし、太陽光パネルを水上に浮かべるための部材であるフロート架台や、水上の作業に要するコストが高いという要素もあり、トータルコストは単純に比較できない。

 池の管理者にとっては、水上を太陽光発電事業者に貸すことで、新たな収入が生まれる。一般的に、農業用ため池は、管理や修繕費用の確保が難しいことが多い。このため、池の管理者にとっても、大きな利点がある。

 運用面でも利点がある。水面には雑草が生えないので、地面に設置した場合に必要になる防草対策や除草にかかる費用がほとんど不要になる。

 ほかにも、太陽光パネルの直下に水があることによる、夏季などの高温時の冷却効果によって発電量が伸びる可能性もある。結晶シリコン型の太陽光パネルは、高温時に変換効率が下がるという性質がある。発電ロスにつながるこの現象を、水による冷却効果である程度、防げると主張する発電事業者も多い。

 一方、接続箱や太陽光パネルは、フロートの上に乗っているので、これらの設備を点検したり、何らかの異常で交換する際、不安定なフロート上で作業することになる。地面の上を歩いて近づける発電所に比べると、作業効率が落ちることを想定しておく必要がある。

 また、2019年9月に千葉県市原市の山倉ダムで起きた水上太陽光発電所における火災事故によって、フロート上に接続箱を設置することによるリスクも表面化した。接続箱を操作すれば太陽光パネルからの直流電流を止められるが、ほとんどの水上太陽光では、接続箱をフロート上に置いているため、万が一の際、こうした作業が難しい。

 この対策として、太陽光パネルごとに出力を止められる技術や手法への関心が高まっている。

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