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フロート/フロート架台 とは

ふろーと/ふろーとがだい

2020/04/27 16:01
加藤 伸一=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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 太陽光パネルを設置する場所として、池などの水面を活用する水上太陽光発電所において、水上に太陽光パネルを浮かべるために使う部材を「フロート」と呼ぶ。地上設置型の太陽光発電所における基礎と架台の役割を担う。

 地上設置型では、基礎や架台に標準的な手法はない。発電所ごとにさまざまな工夫が凝らされている。

 これに対して、水上型の場合は、メーカーが製品化しているフロートをそのまま使う。それ以外の独自の方法を採用している発電所は、まず見られない。このように、製品化されたフロートによる標準的な手法で成り立っているのが、水上太陽光発電所の1つの特徴となっている。

 フロートに求められるのは、まず水の上で浮かぶための浮力を適切にもち、その浮力を安定的に発揮できることである。また、フロートをつなげて構成する一定の規模の島(アイランド)が、安全で確実に水面に浮かび続けることが重要になる。その上で、コストや施工性、保守や管理のしやすさが求められる。

 どのフロートのメーカーも、浮力を担う部材には、樹脂を使っている。中空の樹脂を使うメーカーもあれば、発泡させた樹脂を使って損傷への耐性をより重視するメーカーもある。土管のような大きな管を使うメーカーもある。こうした樹脂の部材の寸法も、各社で異なる。

 フロートの設計や傾向の方向性は、大きく2つに分かれる。

 1つは、「1フロート・1パネル」のタイプである。浮力を担う樹脂の部材1つごとに、1枚の太陽光パネルを固定する。フロートの開発・製品化で先行していた、フランスのCiel et Terre International(シエル・テール・インターナショナル)がこのタイプだったことから、後続のメーカーのいくつかもこれを踏襲したような製品となっている。比較的、小さい寸法の樹脂の部材を数珠のように多くつないでいく。

 もう1つは、「1フロート・1アレイ」のタイプである。地上設置型と同じ設置環境を水上に持ち込んで、地上で使うのと同じような架台を使って構成したアレイ(太陽光パネルを架台に固定する単位)を、1つのフロートとする。国内の一部のメーカーや、台湾、韓国のメーカーが手掛けている。

 このタイプでは、浮力を担う樹脂の部材の使い方は、メーカーによって異なる。全体を大きな樹脂の部材で構成するメーカー、複数個の樹脂部材をアレイ下に一定の間隔で配置するメーカーがある。

 このタイプの強みは、安全性や安定性にある。アレイごと1つのフロートとして浮かぶので、中型の船に乗っているような安心感がある。1フロート・1パネルのタイプの場合、足を置くのは1m程度の小さな寸法の樹脂の部材になるので、揺れの影響が大きい。

 こうした特徴が生き、近年、日本列島を多く通過している記録的な強風などをともなう台風による大きな被害は、このタイプではほぼ生じていないと言われている。


「1フロート・1フロート」型

ブロー成形大手のキョーラク
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「1フロート・1アレイ」型

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