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発電側基本料金/発電側課金とは(page 2)

はつでんがわきほんりょうきん/はつでんがわかきん

2020/05/07 00:32
金子憲治=日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ
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FIT再エネも小売価格に上乗せ?

 今後、調達価格等算定委員会の場で、「FIT認定を受けた既存の再エネ電源」「発電側課金制度の導入後にFIT認定を受ける再エネ電源」に分けて、調整措置が検討されることになる。後者については、特定負担の減額と言う恩恵とセットになるが、前者については、発電側基本料金という負担だけが事後的に発生し、売電価格に上乗せできないため、FIT制度上、調整措置を行うか否かが、焦点になる。

 そうしたなか、2019年12月の会合では、「FITによる売電方法のうち、小売買取については、調達価格とは別に価格を上乗せするという工夫により、他電源と同様にFIT事業者と小売電気事業者間で発電側基本料金の転嫁について協議すべき対象に含まれる」との方向性が示された。具体的には、発電側基本料金の創設と並行し、「既存相対契約見直し指針」の骨子案にFIT電源も含めた。

 FIT再エネによる発電電力の売電先には、送配電事業者と小売電気事業者の2タイプがあるが、現状では、小売電気事業者に売電するケースがほとんどになっている。このため、小売電気事業者との相対協議によって、発電側基本料金分を売電単価に上乗せできれば、ほとんどのFIT再エネ事業者にとって調整措置は必要なくなる余地もある。

 そもそも現在、検討されている発電側基本料金の構想では、これまで託送料金に上乗せして電力需要家から集めていた送配電設備の維持・増設費用の一部を「発電側基本料金」による課金に振り分ける仕組みになっている。従って、小売電気事業者にとっては託送料が安くなる分、電気の調達価格を引き上げる原資が生まれることになる(図2)。

図2●発電側基本料金の基本的な考え方
(出所:経産省)
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 経済産業省では、「発電側基本料金の創設で、小売事業者が予期せぬ利益を得ることがないよう、電力・ガス取引監視等委員会が監視することで、FIT調達価格に上乗せして売電する相対契約は可能」と見ている。

 とはいえ、発電側基本料金は、最大出力(kW)に応じて、発電事業者に課金するため、発電量(売電量)単位(kWh)当たりの負担は、設備利用率によって異なってくる。例えば、設備利用率14%の太陽光で1.5円/kWhなのに対し、同26%の風力では0.8円/kWhに減り、同78%のバイオマスでは0.3円/kWhに留まる。

 こうした再エネ種ごとに、小売電気事業者と交渉してきめ細かく上乗せしていくことが実務上難しく、再エネ全体の平均的な負担で加算された場合、太陽光については、やはりFIT買取単価を引き上げる「調整措置」が必要になる。その際、利潤配慮期間(2015年6月までの認定)の太陽光についても調整措置が必要か否か、議論になりそうだ。

 なお、これまでの議論では、住宅用太陽光については、発電側基本料金の課金対象外となっている(2020年5月時点で執筆)。

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